葉鍵スタートレック 3rd Season
- 1 名前:名無しさんだよもん :02/04/04 02:15 ID:XrpZLwnv
- 葉鍵板――そこは最後のフロンティア
これは葉鍵スタトレスレッドが
名無しさんだよもんのもとに
21世紀において任務を続行し
未知の世界を探索して
新しい住人とネタを求め
人類未踏の葉鍵板に
勇敢に航海した物語である
コースセット、過去スレ>>2。
"Engage!"
- 2 名前:名無しさんだよもん :02/04/04 02:16 ID:gzaR4sq6
- 華麗に2ゲット〜
- 3 名前:名無しさんだよもん :02/04/04 02:16 ID:XrpZLwnv
- 過去スレ
エンタープライズKey
http://cheese.2ch.net/leaf/kako/974/974567199.html
スタートレック間違って録画しちゃった人の数→
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1015/10151/1015143621.html
- 4 名前:名無しさんだよもん :02/04/04 02:16 ID:XrpZLwnv
- がーん
- 5 名前:名無しさんだよもん :02/04/04 02:16 ID:ooTe5FxP
- こんなのはどお?
http://www.media-0.com/www/smile/wolf.html
- 6 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:26 ID:YutbKwA/
- 幾多の星々を散りばめた見渡す限りの暗闇――宇宙。
その中にひときわ輝く水の星を視界に収め、真空に浮かぶ巨大な人工構造物。
振り返れば冷たい灰色の衛星がぼんやり太陽の光を受けていた。
アルファ宇宙域セクター001、地球。そのラグランジェ1に、惑星連邦宇宙艦隊ドラ
イドック・リトルフラック・ヤードがある。
構造材や作業リグ、投光機などをシンプルに組み合わせ、無重力下で宇宙艦の製造・整
備を行う、言わば「宇宙の造船場」だ。
その無機質な光の中に、訪れる進宙の時をじっと窺うかのようにその身を休める宇宙艦
の姿があった。
上から見てアーモンド形をした巨大な第一船体、その後ろには小さな第二船体が、埋め
込まれるようにドーサルネック無しで接続されている。
その第二船体からは翼のようなワープナセル接合部が後ろ上方に向かって延び、前半分
が大きく、後ろ半分が細く絞られた独特のワープナセルを支えている。
ソヴェリン級やイントレピッド級など新世代の連邦宇宙艦のスタンダードを取り入れた
スピード感ある姿が印象的だ。
試作宇宙艦U.S.S.エタニティ。登録番号NX-88001。それがこの艦の名前だった。
- 7 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:26 ID:YutbKwA/
- 「インパルスエンジン作動、ドライドックを出ます」
エタニティ艦長、深山雪見の厳かな声が響き渡ると同時に、ブリッジ内に熱気のある
緊張感が広がっていく。全員が固唾を飲んでメインスクリーンの画像を見守った。
操舵士がスラスターの推力をじわりと上げていくと同時に、スクリーンの左右視界を
遮るリトルフラック・ヤードのドック格子が画面外に流れる。
青い地球を背に、そして月を横目にしながら流麗なシルエットを持つ宇宙艦がその威容
を露わにしていく様子は、船外から見守る者にも言葉にできない感慨を与えていた。
「方位300、マーク10、スラスター40%」
船体後部のインパルスエンジンの青白い光が輝きを増すごとに、艦は加速していく。
やがてエタニティは地球軌道を徐々に離れていった。
雪見を始めクルー全員、ここまでのテスト航行はこれまで何度も経験していた。
しかし今度はテストではなく本番だ。クルーの緊張と期待が重圧となってのしかかって
くるのを、雪見は強く感じていた。
深山雪見大佐 艦長日誌 宇宙歴55493.3
本日、ついに量子位相ワープ実験艦エタニティが航海に出る。
ガンマ宇宙域におけるドミニオンの活動や、デルタ宇宙域の恐るべき実態を鑑み、連邦
は量子技術の本格導入を進めてきた。
量子魚雷、実験的に運用された量子スリップストリームによるトランスワープ……もち
ろんエタニティに搭載された量子位相ワープドライブもその一環だ。
量子の不確定性を逆手に取る技術、具現化したテレポーテーション、さまざまな形容
をなされるこの技術が実用化されることで惑星連邦の機動力は更に高まることだろう。
しかし最も大切なのは技術を手にした人間の心――陳腐ではあるが真理である。
私はこれがただの戦争の道具ではなく、新たなファースト・コンタクトの手段として
平和的に用いられることを切に望んでいる。
- 8 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:27 ID:YutbKwA/
- 太陽の恩恵を得られない死の惑星、冥王星。その公転軌道を抜ければ太陽の持つ高重力
の影響を逃れ、ワープが可能になる。エタニティはそれまでスラスターの加速だけで航行
していた。
それまで時間を無駄にしているわけではない。クルー全員、艦の各部のチェックを続け
ていた。誰も何か動いていたくて仕方がない様子だった。
雪見は艦長室のデスクで山と積まれた膨大な数のパッドに囲まれていた。クルーの勤務
シフトから始まって細々したシステムの改善案まで考慮すべきことはいくらでもある。時
折お茶など飲みながら、それらを機械的にこなしていった。
『雪ちゃん、量子位相変動機の最終調整、終わったよ』
それからしばらくして、緊張感のない通信が入る。副長の川名みさき中佐だ。機関室で
新型ワープドライブのチェックを指揮していたが、やっと終わったようだ。
エタニティには暫定的に従来のワープシステムも残されている。これは過去にトランス
ワープに挑んだ艦の結果を考えてのことだが、それ故に2つのシステムを同時に管理して
いかなければならない機関部の責任は重大だった。
何より今回はエタニティの処女航海でもある。注意はいくらしてもし足りない。
そんな一番の肩の荷が降りたからか、単にのんびりしたみさきの口調で気が抜けたのか、
雪見はシートの背もたれに身を預けた。
「分かりました……で。みさき、勤務中は艦長と呼びなさいって言ってるでしょ?」
『雪ちゃんも名前で呼んでるよ?』
「はいはい、ごめんなさい」
神経を張り詰めがちな雪見とマイペースなみさき、良いコンビと言えなくもない。
雪見はシートから腰を浮かせると、最後に一口だけお茶を口にして部屋を出た。
- 9 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:27 ID:YutbKwA/
- ブリッジには心地よい緊張感が広がっている。雪見は満足げに周囲を見渡した。
曲線を主体として構成され、目に優しいアイボリーホワイトや薄いベージュで彩られた
柔らかな空間。理性と思慮深さを想起させる人間的なデザインだと思った。
ゆっくりとした所作でブリッジ内を進み、雪見は艦長のシートの前に立つ。シンプルな
作りのそれを数瞬だけ見下ろしてから身を翻して席についた。
間髪いれずにターボリフトのドアが開く。雪見が肩越しに振り返ると、みさきが軽い
足取りで背後のモニター群をするりと抜けていくのが視界の端に映った。
「機関室の準備ぜんぶ終わったよ。後は本番あるのみだよ」
言いつつ艦長の前を横切らないように反対側に周り、副長席にふわりと座る。
ブリッジ正面のメインスクリーンに映る冥王星を2人見つめる。もっとも、みさきの目に入ってくるのは雪見とは全く違う風景なのだろうが。
「艦長、ヤードから通信。スクリーンに出します」
背後からオペレータの声。雪見は即座に答えた。
「そうして(Make it so)」
艦隊旗艦を指揮する高名な艦長の口癖が知らずに口をつき、雪見は心の中で苦笑する。
しかしすぐにみさきと一緒に立ち上がり、メインスクリーンを注視した。
画面の向こうでは、一人の男があまり好ましいとはいえない微笑を浮かべていた。
リトルフラック・ヤードの全権を受け持っている久瀬准将だ。
『おめでとう深山大佐。この日が来たことを、僕は心から祝福するよ』
そう第一声を発して、本人はニヒルと思っているのだろうか、口の端を小さく歪める。
「お言葉光栄に承ります、提督」
雪見は無表情に、しかし丁寧な口調で返した。
正確には准将は「提督」とは呼べないが、相手がそう呼べというのだから仕方がない。
何しろ久瀬は体面や体裁に変にこだわる人物だ。一言でいえば小物、なのだが、仮にも
最上級士官に向かってそんなことを言えるはずもない。
- 10 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:28 ID:YutbKwA/
- 才覚はあるが、やや付き合いづらい人格の持ち主。それが雪見の抱いた印象であり、彼
を知る多くの者の最大公約数的意見でもあった。
そんな薄っぺらな「提督」という呼び名に満足したのか、久瀬はやや芝居がかった調子
で両手を広げながら朗々と台詞を歌い上げる。
『君たちは惑星連邦の未来を担う最新鋭艦に乗ることを許された、正に選ばれたクルーだ。
それを誇りとし、栄えある最初のミッションを見事に成功させてほしい』
「もちろんです提督」
『そんなに固くならなくてもいいから。ここの部下達だってリラックスしているよ?』
『ね?』と久瀬が視線を左右に振ると、背後からあははーっ、と困ったような笑い声が
小さく聞こえた。
(向こうも大変ね……)
心の中で溜め息をつきながらも、雪見は直立不動を崩さなかった。
「これより本艦は指定座標へ向け、量子位相ワープを開始します」
『了解した。艦の様子はこちらでもモニターしている。記念すべき瞬間を見届けられて
嬉しく思うよ。それでは、よい旅を』
雪見とみさきがもう一度居住いを正すと同時に通信が切れ、スクリーンに惑星連邦の
エンブレムが映し出された。
「私、あの人苦手だよ」
「思っても口にしちゃ駄目よ」
渋い表情のみさきを見て雪見は苦笑して、2人して小声で言いつつシートにつく。
それが聞こえてしまったのか周囲から苦笑がもれると、ブリッジに漂っていた重苦しい
空気が少しだけ変わったように思えた。
- 11 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:28 ID:YutbKwA/
- 雪見は呼吸を整えてコミュニケーターに触れた。その通信は艦内全てに送られている。
「深山より全クルー。これから私たちは記念すべき道のりに踏み出します」
クルーは作業の手を止め、姿勢を正してその言葉を聞く。
システム起動を今や遅しと待ち受ける機関室――
「未知の宇宙を航海し、新たな生命・文明と触れあい、共存し、高めあう旅です」
宇宙図や各種センサー情報を集約してチェックする天体測定室――
「もちろんこの道のりは決して平坦なものではないでしょう」
送り込まれた荷物をストックする貨物室――
「幾多の困難が待ち構えているに違いありません」
眼前に遥か広がる宇宙を見渡せるブリッジ――
「しかし私は、貴方たちクルーの協力のもとにそれらを乗り越え、皆で輝かしい成果を
手にできると固く信じています。以上です」
雪見は毅然とした表情でそう締めくくった。初の航星任務への恐れ、新技術への不安、
心を乱す要素はいくらでもある。だがそこで足を止めていては前へ進むことはできない。
「コースセット。方位020、マーク40」
操舵士がパネルを操作するのを、ブリッジ士官全員が固唾を飲んで見守った。
- 12 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:29 ID:YutbKwA/
- 「量子位相ワープドライブ、オンライン。トランスワープ、発進」
少し顎を引いて、しっかりと前を見つめながら雪見が宣言した。
エタニティのワープナセルに光が灯る。通常ワープドライブの青い輝きではない。陽炎
のようにゆらゆらとした輝きが現れ、エタニティの船体全てを包み込んでいく。
同時にエタニティの姿が少しずつ薄れていった。それは転送時起こる現象と似ていた。
そして一瞬だけ船体が前後に伸びるような錯視が起こり、次の瞬間にはワープ独特の
残光と陽炎の緩やかな軌跡を残して弾かれたように消えた。
ブリッジでは今起こっている現象を冷静にスキャンし続けていた。連邦の艦でトランス
ワープに成功したものは極めて少ない。新しいワープドライブとその運用に関して可能な
限り多くの記録を採取することもエタニティの任務だった。
「現在、ワープ速度換算で10.01。亜空間チューブ、量子位相フィールド共に安定、
船体構造にも影響は認められません」
背後からのオペレータの報告に頷きながら、雪見は天体測定室を呼び出す。
「深山より天体測定室」
『はい艦長』
ぽそりと細い声。科学士官の里村茜中尉だ。
「里村中尉、メインディフレクターのセンサー記録に問題は?」
『今のところありません。スキャンを継続します』
「お願い」
一息つきながら身体の力を抜こうとした瞬間、船体がガクンと強く揺れた。
慣性制動機も対処しきれないくらい強いものだ。ブリッジの全員が手すりやコンソール
に掴まって何とかこらえていた。
- 13 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:30 ID:YutbKwA/
- 「報告!」
虚を突かれてわずかな間呆然としてしまった雪見に代わり、みさきが素早く指示を出す。
「艦長、バーテロンと未知のエネルギーの放射を探知……後者は恐らくタキオンの一種と
思われます。発信源は後方300万km、中型の宇宙艦からです」
「何ですって?」
予想だにしない報告に、雪見は目を丸くしてオペレータを見た。
エタニティが発生させた特殊な亜空間チューブは通常の亜空間とは位相が異なり、感知
は出来ても干渉することは難しい。仮に干渉しようとするならその相手はエタニティと
同質の亜空間の中に存在していなくてはならない。
つまりその艦はエタニティと同質のワープドライブを搭載しているということになる。
しかも今までエタニティのセンサーに感知されなかったとなると、遮蔽装置等何らかのセンサー無力化手段を持つ可能性も考えられる。
ブリッジ内の空気がにわかに張り詰める。オペレータたちの手が忙しく動いた。
今はともかく情報を集めなければならないが、得られる報告はそれらの情報を噛み砕く
時間を与えないものばかりだ。
「バーテロンの影響で亜空間チューブが崩壊し始めています。こちらのワープドライブへ
の影響も免れません。……量子位相フィールドがストリーム化していきます!」
「非常警報! ブリッジより機関部、コアの保護を最優先、ワープドライブのオーバー
ロードを回避。里村中尉、ディフレクターからガイドビームを発射、亜空間チューブの
崩壊を可能な限り遅らせて」
照明が落ち、赤い非常灯に照らされたブリッジに雪見の指令が飛ぶ。その間にも艦は
強い揺れにさらされ、雪見・みさき2人の長い髪を乱した。
エタニティは不安定になった亜空間チューブの中、量子レベルでの激しい奔流に流され
ていた。何とか体勢を保っていられるのは、量子スリップストリームの応用でディフレ
クターから補正ビームを発射しているからだ。だがあまり長くはもたない。使いすぎると
パワーがオーバーロードを起こしてしまう。
- 14 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:30 ID:YutbKwA/
- しかし、と雪見は考えをまとめる。
後をゆく艦も同じ状況にさらされているのに、センサーの情報を見る限りこの劣悪な
状況でも問題なく航行している。何らかの解決法を知っているかもしれない。
「後方の未確認艦に亜空間通信回線を開いて」
「……応答なし。リンクを拒否されました」
オペレータの落胆気味の一言で雪見の表情が一層厳しくなった。
ワープ等、亜空間への働きかけを阻害する効果があるバーテロンを故意に放射し、その
上コンタクトを拒否した。交渉の余地なし。顔も見たくないというわけか。
雪見はそこに、何か嘲笑混じりの悪意を見たような気がした。
『里村よりブリッジ。強い量子ストリームサージとタキオン位相体の影響によって、亜空
間内……本艦の前方に空間の亀裂が発生しました。内部スキャン不能、通常とは異なる時
空にあると思われます…!』
「後方の未確認艦、センサーより消滅!」
『機関室よりブリッジ。ワープコアがシャットダウン!』
相次ぐ不吉な報告にブリッジクルー全員の顔から血の気が引く。
- 15 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/04 02:31 ID:YutbKwA/
- 「深山より全クルー! 衝撃に備えて!」
言うか言わないかの間に、これまでで一番強い振動が艦を襲った。
床が大きく波打つ。電装系がオーバーロードして至る所から火花が散った。
「姿勢を低くしてどこかに掴まって……あっ!?」
周囲を見回しながら雪見が叫ぶのと同時、艦長席に備え付けられたコンソールが火を吹
く。その小さな破片を額に受けて思わず腰を浮かせたところに前のめりになるような揺れ
が来た。雪見の身体はそのまま投げ出され、床に転がった。
その様子は、量子ストリームの不気味な輝きの中、激しい水の流れにもまれる木の葉の
ように不規則に振り回されるエタニティの姿とどこか重なって見えた。
ずたずたに引き裂かれた亜空間チューブにぽっかりとあいた時空の亀裂から、量子スト
リームが流れ出していく。まるで傷のついた血管から血が噴き出すように。
船体のあちこちから火花を散らすエタニティもその亀裂に飲まれ、消えた。
- 16 名前:名無しさんだよもん :02/04/04 02:32 ID:YutbKwA/
- 串探してきてスレ立て強行してしまいました。
立てたからにはマターリ頑張ります。
- 17 名前:名無しさんだよもん :02/04/04 06:49 ID:dLt+xs2n
- 凄く(・∀・)イイ!
- 18 名前:宇宙艦設定 :02/04/04 14:47 ID:9dydfLoB
- U.S.S.エタニティ(NX-88001 エタニティ級試作宇宙艦)
全長:552m 全幅:184m 全高:110m 質量:214万t
平面/左舷図
http://oneski.tripod.co.jp/eter.jpg
「自鯖あるならそっちでやれ」とか言わないで下ちい(;´Д`)
- 19 名前:名無しさんだよもん :02/04/04 20:15 ID:ijq4GOrb
- さすがオタの吹き溜まりな葉鍵板。こんなネタまでやるとは…続き希望
- 20 名前:名無しさんだよもん :02/04/05 01:33 ID:i+V6q9++
- 人来ないね。
ワープ9age。
- 21 名前:名無しさんだよもん :02/04/05 01:39 ID:QY8wsSPz
- とりあえずヴォイジャーは最後まで歯切れが悪かった
- 22 名前:名無しさんだよもん :02/04/05 01:42 ID:+/mvRJ2l
- >>21
俺の地域じゃまだ最終話やってないんだけど、
えらくごちゃごちゃしてたらしいね。
- 23 名前:六@ :02/04/05 07:14 ID:CxSPEb/X
- このスレ密かに期待してるんですが(;´д`)
最終話は、確かに積め込み過ぎかなと思いました。
- 24 名前:名無しさんだよもん :02/04/07 10:42 ID:MxgZzzF5
- ホシュ
- 25 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:08 ID:41c2xgRE
- 気がつくと簡素なベッドに寝かされている自分がいる。
雪見はぼんやりとした意識の中で周囲の光景を見渡したが、その途端、身体全体に激痛
が走って思わずうめき声を上げた。
非常用の薄暗い照明だけだが、とりあえず医療室に連れ込まれたようだ。そこらじゅう
から傷ついたクルーの苦悶の声や息づかいが聞こえてくる。
「気がついたようだな。喜べ、痛いのは生きている証拠だ」
近くでクールな女性の声。この言い方からしてドクターなのだろうが、エタニティの
ドクターは男性のはずだと、訝しげに声の主を見上げた。
「誰? 医療助手? 名前を教えて」
「名前、か。それは私が欲しいくらいだ。何しろ私はEMHだからな」
ようやくはっきりしてきた視界に、淡々と喋る相手――ホログラムを捉える。
すらりと長身で、腰の辺りまでありそうな黒髪の持ち主。少し目つきが悪いのと何とな
く雰囲気が怪しいのは、マトリクスと外見パラメータのベースになった人物を受け継いだ
ためかも知れないと、雪見はふと思った。
「艦長、今失礼なことを考えなかったか?」
「気のせいよ……ところで貴方が起動しているということは、ドクターは?」
さらりとかわして問い返すとEMHは真顔になり、少しだけ宙を仰いで言った。
「名誉の殉職を遂げられたそうだ。艦の破損の酷い部分に残されたクルーを救おうとして、
プラズマ放射を受けてな。お蔭で私はもう10時間近く起動しているぞ」
ドクターが亡くなったというのもショックだが、何より10時間という時間経過を聞い
て雪見の顔から血の気が引く。痛みを押して上体を起こした。
「コンピュータ、艦内各部システムの被害状況を教えて」
『船体への被害は全体の68%、12デッキに及ぶんだよもん。でも今は53%にまで
復旧が進んでるんだよもん。ワープコアは正常に作動中だけどパワーリレー……』
(だ、だよもん……!?)
雪見は口の端をピクピクと痙攣させながら、
「コンピュータ、報告停止! 深山より川名みさきぃぃぃ! いーまーすーぐー医療室
まで来なさゲヘゴホグハッ!」
このデッキ中に聞こえてしまいそうな魂消る絶叫を上げたが、全身を襲う激痛に遮られ
て最後まで続かなかった。
- 26 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:08 ID:41c2xgRE
- 「えへへー」
年甲斐もなく両手の人差し指を頬に当てながらにぱっと愛想笑いなどする。
そんなみさきをジト目で見ながら、雪見は終始無言だ。
「え、えへへー」
「……」
「えへー」
「……」
「……ごめんなさい」
しょぼんとうなだれるみさき。雪見は視線を逸らして溜め息を漏らした。
「コンピュータの対話プロトコルをいじる暇があるのなら、それを復旧に回しなさいよ。
仮にも副長でしょ? 威厳ないけど」
「うー」
負傷したクルーに向けていた皮膚再生機を止め、ハイポスプレーで増血剤を投与しなが
ら、雪見は上目遣いで見上げるみさきに説教を続けていた。
雪見は痛みを鎮静剤で無理矢理押さえ込んで、負傷したクルーの治療を手伝っていた。
本来なら艦の現状を逐一その目で確かめたいところだったが、身体が完全には言うこと
を聞かない。それでも身体を動かさずにはいられず、医療室にいる間だけはEMHと共に
治療に当たることにしたのだ。
「だいたいみさきって、昔からロクな悪戯しないのよね。アカデミー時代、ミスター・ス
ポックの肖像にちょび髭書いたの忘れてないからね」
「うー、雪ちゃんひどいよ。いじめっこだよ〜」
真剣な顔で治療にあたりながら、副長の過去の悪事を次々と暴露していく。
そのギャップとみさきの慌てぶりが可笑しくて、負傷したクルーの間から笑いが漏れて
いた。それはむしろ失笑に近いものだったが、痛みに苦しんでいるよりは気分がまぎれて
いいだろう、と雪見は内心思っていた。
- 27 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:09 ID:41c2xgRE
- 雪見は痛みを堪えながらも的確な動作で治療を続けた。みさきはその後を手持ち無沙汰
な様子でついていくだけだったが、ついに痺れを切らして前に歩み出た。
「私も手伝うよ」
「あんたは動脈に針突き立てて噴水させそうだから駄目」
「注射針なんて使わないよ〜」
相変わらずコントを続ける艦長&副長コンビにいいかげん呆れ果てたのか、
「第一、そんな原始的な器具はここの医療室にはないぞ」
EMHが遠巻きから溜め息混じりのツッコミを入れた。
そんな時間がしばらく続くが、送り込まれてくる負傷者の数はいっこうに減る様子はな
い。この現状で、艦長がいつまでも医療行為に当たっているのはよい選択ではなかった。
また1人の治療をすませた雪見は作業の手を止めて立ち上がった。
「ドクター、私はそろそろ艦の復旧に戻ります。医療資格を持ったクルーを回すので、
貴方はこのままクルーの治療をお願いします。必要な情報があれば、艦内の全データ
ベースへのアクセスを許可……あ」
言いかけて気づいた。彼女は人間のクルーではなく、医療行為に特化されたただのホロ
グラムだ。そのためシステムへのアクセスや情報の処理は自然と限定されてしまう。
しかしホログラム・ドクターは問題ない、とばかりにニヤリと笑い、
「大丈夫だ。幸い私はマーク1の第1号を参考にして自己のマトリクスを拡張させる機能
を持っている。じきにこの環境にも慣れるだろう」
自慢げに言った。本当に無駄に偉そうだった。
おおーとか感動しているみさきに呆れながら、雪見はぴしゃりと言い切る。
「貴方のマトリクスの自律化と自己拡張に関しては私の判断に従ってもらいます」
「お手柔らかに頼むよ、艦長」
雪見は小さく頷くとハイポスプレーと幾つか鎮痛剤のカートリッジを手にして、足早に
医療室を出た。
- 28 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:09 ID:41c2xgRE
- 通路に出てみて受けた最初の印象は「廃墟」だ。
進宙したて、新品同様にもかかわらず、激しい戦闘に晒されたようなきな臭い空気が
ずっと広がっている。
照明がところどころで明滅していて、内壁の破片がそこらじゅうに散らばっていた。
床近くに配置された神経ゲルパックが破裂し、噴き出している所すらあった。
「酷いわね……」
沈痛な面持ちで雪見が独りごちると、その横を歩くみさきが素早く答える。
「今は電装系を最優先で修復してるところだよ。船体外壁の修理が追いつかなくても、
フォースフィールドで応急処置すればいいし。澪ちゃん頑張ってるよ」
上月澪中尉か、と雪見は若き機関主任の姿を思い浮かべる。どこか危なっかしくて見て
いられない感じがするが、仕事はきちんとこなす。屈託のない無邪気な笑顔とハードな仕
事ぶりとのギャップが凄いと思った。
「センサーの復旧はどう? 外の状況が分からなければ無防備と同じよ。ま、実際無防備
だけど。ともかく外敵に備えなくちゃいけないからね」
雪見は最も気にかけている部分を訊ねた。
センサーが作動しないというのは五感を封じられているのと同義だ。特にシールドの出
力が落ちている現状では、小さなデプリでさえ船体に損傷をもたらす可能性がある。
何より今のエタニティにとっての一番の懸念材料は亜空間で遭遇した未確認船だ。その
行為に何らかの悪意を感じ取った雪見は、一刻も早い艦の復旧と対抗手段の準備が必要だ
と強く思っていた。
それはみさきも承知していることで、
「下位のセンサーはほとんど修復できてるんだけどね」
厳しい現状に渋い顔になりながら言葉を濁す。雪見はそれを目で促した。
「メインディフレクターがやられてるんだよ。量子スリップストリームした時の負荷が大
きすぎて内部のセンサー素子がほとんど全滅。何とか使えるくらいには復旧したけど、
30%も性能出てないよ」
- 29 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:10 ID:41c2xgRE
- それは予想できていた事態だ。量子スリップストリームは船そのものに多大な負担をか
ける。非常事態に陥ったとしてもなるべく使いたくない手段だった。その上、結果として
意味をなさずディフレクターをいたずらに酷使させただけの無駄骨に終わった。
しかしそれは結果論だ。あの時はあらゆる可能性を模索しなければならなかった。
雪見は思考を切り替えてターボリフトの前で足を止めた。
「復旧作業の指揮はみさきに任せるとして、私は今いる宇宙域の情報をこの目で確かめて
おかないとね……あれ?」
いくら待ってもリフトの扉が開かない。数秒の重苦しい沈黙の後、
「まだ直ってないみたいだね」
「……」
みさきがぽつりと呟くのを、雪見は放心しながら聞いた。
結局雪見は、みさきの肩を借りてジェフリーチューブを移動する羽目になった。
鎮痛剤を打っていても普段のように身体に力が入らず、梯子を昇り降りするのもひと苦
労という状況だ。そこかしこでクルーが艦内の応急処置作業に当たる中、2人はやっとの
思いで天体測定室の前に立った。
「まさか、ここも人力で開けろなんて言わないわよね?」
もううんざりだとばかりにぼやく雪見に、みさきは笑顔で答える。
「大丈夫、このデッキはほとんど修復終わってるんだよ。あと、ここには使えるターボリ
フトもあるから、すぐブリッジに行けるよ」
「よかった。じゃあ私はここを見てからブリッジに行くから、みさきは復旧具合のチェッ
クをお願いね」
分かったよと小さくうなずいて、みさきは再びジェフリーチューブに潜り込んでいった。
- 30 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:10 ID:41c2xgRE
- 雪見はそれを見送り、やがて天体測定室へと足を踏み入れる。
正面に大型スクリーン、左右には情報分析用コンピュータ、中央にはメインコンソール
が配置される。そのコンソールに士官が1人ぽつんと座っていた。茜だ。
スクリーンには宇宙の映像が映し出されていた。各々が違う輝きを持つ恒星、様々な色
と形を持つ星雲、それは航星任務に就く者であれば誰もが目にする宇宙の姿。
茜はそれをじっと見つめているようだ。何も言わず、ただじっと。
「里村中尉、状況を報告して。……中尉?」
雪見にもう一度呼びかけられてやっと人の気配に気づいたのか、茜は顔の辺りを掌で
拭ってから振り返った。
「どうしました、艦長…?」
泣いていたのだろうか。しかし、自分を見つめるその顔には涙の跡はない。
雪見は一瞬だけ茜の目を見つめて、すぐに用件を切り出した。
「現状を報告して。あの現象の後この艦がどうなったのか、そして今どこいるのか」
特に疑問を抱いた様子もなく、何かを確認するかのように問う。
少なくとも雪見の中では、それらに対する仮説は既に用意されて、かつ現実のものに
なる可能性も高いとも考えていた。
しかしそれはあくまでも仮説に過ぎず、記録と観測に基づいた情報には及ばない。
「現状でスキャンできる範囲に限られます…」
「構わないわ。お願い」
はい、と茜は小さく頷いてから中央コンソールに向き直った。手早くパネルを操作する
と、スクリーンにいびつな形の立体宇宙図が表示された。
エタニティを中心として数百万光年をフルスキャンしたものだが、センサーが完全に
機能していない部分には遠距離にいくほど精度が落ちていた。たとえ近距離の惑星であっ
ても、クラス区分が不明確なものもあった。
- 31 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:10 ID:41c2xgRE
- それでも、このスキャン結果で分かったこともある。茜はそれを淡々と告げた。
「これらの範囲に、私たちが知る星系・銀河はひとつとしてありません。また、この銀河
の形状そのものも銀河系とは異なると思われます。あと…」
「時空連続体はどう?」
言葉を濁す茜を促すように雪見が質問を投げかける。
「私たちの宇宙とは位相のズレが認められました」
それを聞いて雪見は小さく息をつき、苦笑気味に肩をすくめた。
「原因、高密度に圧縮された亜空間チューブ内部で行った量子スリップストリームによ
る亜空間へのダメージと、バーテロンによる亜空間への影響。それら高エネルギーの集中
によって時空連続体が歪められ、亀裂が発生。結果、エタニティはそこに飲み込まれ、私
たちとは異なる宇宙に放り出された……そういうことね?」
そういえばあの現象に遭遇した時に茜は本質に近い解析をしていた、と雪見はふと思い
出し、そこにどこか引っかかるものを感じて茜に訊ねた。
「ところで貴方、以前に似たような現象に出会ったことがある? もしそうならその時の
報告書を提出しほしいんだけど」
途端、茜はビクッと肩を震わせ、目を逸らした。触れられたくない心の傷か。
「貴方のプライバシーに触れるつもりはないの。ただ、この現状を打開するための情報が
どうしても必要だということを分かって」
「…はい」
敢えて感情を込めずに言う雪見に、茜は搾り出すように小さく答えた。
- 32 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:11 ID:41c2xgRE
- 深山雪見大佐 艦長日誌 宇宙歴55498.2
エタニティの復旧は航行に支障のない程度にまで進んだ。
量子位相ワープドライブは、亜空間に与える影響を考慮して使用を制限、通常のワープ
ドライブをメインとしたシステムに再構成した。
クルーの報告書とその後のスキャン結果により、エタニティがこの別時空に出現した地
点に時空連続体の境界が曖昧な特異点が存在する可能性が示唆された。
また、その特異点から現在位置にかけてタキオン位相体の痕跡を探知。
それが途切れているおよそ1000光年先の宙域が時空特異点と予想される。
長い旅ではないが、この先に何が待ち受けているか知れない。
しかしそれは見方を変えれば、新たなる未知に触れるチャンスとも言えるのである。
最大ワープ、直線距離で約40日。それがこの旅にかかる時間だ。
理屈ではそうだが、実際は資源の供給や宇宙の勢力図など、遠回りする要素がいくらで
もあり、エタニティはいくつかの星系に立ち寄りながら特異点に向かって進んでいた。
行く先々で特異点についての情報を集めようとしたが、やんわりとした拒否の態度を取
られて失敗に終わっていた。この宇宙では全く未知の惑星連邦という集団を色眼鏡で見て
いるのかとも思われたが、そうではない。
ただ彼ら様々な異星人に共通しているのは「何かを恐れている」雰囲気。いつも背中を
気にしているような張りつめた緊張感だった。
- 33 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:11 ID:41c2xgRE
- エタニティは重水素を採集するために立ち寄った星雲から離れ、ワープ8で航行してい
た。ワープドライブは無限機関ではない。定期的に重水素やダイリチウムを補充・交換す
る必要があった。
「艦長、宇宙艦1隻がインターセプトコースで接近中です。方位210、マーク6」
しばらくの間静けさを保っていたブリッジにオペレータの声が響く。雪見は手元のコンソールを素早く操作した。次の瞬間にはメインスクリーンに艦尾の映像が表示される。
そこに映った中型宇宙艦の姿にブリッジの空気がにわかに緊張した。
雪見も緊張した面持ちで映像を見つめる。初の量子位相ワープ中に亜空間内に出現した
艦、その同型艦だった。
「未確認艦より通信」
「スクリーンに出して」
雪見は立ち上がりながらオペレータに告げると、すぐににひとりの女性が映し出される。
長い金色の髪に、どこか宗教儀礼に使われそうな雰囲気のある服装。表情は静かだが、
その立ち姿にはどこか近づきがたい厳粛な空気を漂わせていた。
『警告します。貴方がたは私たちFARGOの領域を侵犯しようとしています。ただちに
引き返して下さい。従わない場合は攻撃も止むを得ません』
感情のこもらない声で事務的に告げる。そこに交渉の余地などないと予め告げているか
のような機械的な口調だった。
「U.S.S.エタニティ艦長の深山雪見です。ひとつ質問したいことが――」
『繰り返します。直ちに退去して下さい』
同じ警告を繰り返すだけの相手に、雪見は必死に自分の言葉を伝える。
「私の艦が貴方のものと同タイプの艦からワープ妨害を受けました。そのせいで見知らぬ
宇宙域に弾き飛ばされてしまった。それに関する情報を公開してほしいんですが」
- 34 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:12 ID:41c2xgRE
- 『…退去して下さい』
それでも相手の返答は変わらなかった。小さく、しかし強い口調。
そこに明らかな拒絶の意思がある。雪見はこの質問を諦め、代わりの質問をした。
「私たちはどうしてもこの先に進まなければなりません。迂回ルートがあるのならその航
法データを送っていただきたいの」
『退去してください』
全く交渉の余地なしだ。雪見は苦い表情でスクリーンの向こうの女性を見つめると、
降参したとばかりに肩をすくめた。
「では、今回は指示に従います。その前に……」
『何でしょう』
退去を受け入れたためだろうか、女性が初めて雪見の言葉に反応する。
「貴方の名前を教えて」
何でもない質問だ。女性はしばらく沈黙していたが、やがて目を伏せて答えた。
『FARGOクラスA、鹿沼葉子』
- 35 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/08 03:13 ID:41c2xgRE
- 一方、FARGO所属艦エルポドのブリッジ。スクリーンには180度変針してワープ
に入るエタニティの姿が映し出されていた。
艦長の鹿沼葉子はエタニティの姿が消えるのを見届けてからシートについた。
ブリッジの中は一種奇妙な空気に包まれていた。およそ宇宙艦のそれではない、清廉な
雰囲気。葉子をはじめとするクルーが身に付ける衣服と相まって、まるでそこが神聖な
場所ででもあるかのような錯覚を与えた。
葉子が先程と変わらない静かな口調で変針を告げると、クルーも同じように静かにパネ
ルを操作する。まるで宗教儀式のように見えた。
そんな研ぎ澄まされた空気の中、ひとつだけ場違いと思えるものがある。
飾り気のない研究服に身を包んで、どこか陰湿な印象を漂わせる男。
(量子位相ワープドライブ……あの程度の出来でよくも実用化できたものだ)
ククッと喉を鳴らすと、葉子が振り返って無感情に言った。
「高槻研究員、どうかしましたか」
「いや、別に」
鷹揚な態度で答える高槻を咎めるでもなく、葉子はまた正面に向き直った。
高槻は澄ましたような葉子の仕草を鼻で笑いながら、
(さぁ、ゲームの始まりだ……)
エタニティが飛び去った遥か彼方をいやらしい微笑で見やった。
- 36 名前:名無しさんだよもん :02/04/08 15:35 ID:C5NcriEf
- 何気に読みとおしてみたけど、結構おもしろいなスタトレE
ただ本編あんまり見たこと無いから専門用語がわからんが
調べる価値はありそうだ
良スレだし、がんばってくらさい
- 37 名前:名無しさんだよもん :02/04/09 02:32 ID:Becewc8J
- >>36
用語は↓を読むとよろしいかと。
後者にはワープ計算や宇宙歴計算のスクリプトがあって便利。
ttp://www.mars.dti.ne.jp/~ateban/trek.html
ttp://www.m-nomura.com/st/index.html
ときにどなたか葉ネタのも書いて下さらぬだらうか。
自分は葉には疎いので……。
- 38 名前:名無しさんだよもん :02/04/09 03:48 ID:qAU5ax1r
- >>37
thx! 凄い量だなこりゃ、まぁ今日学校休みだしゆっくり読むわ
家の両親にスタトレの話を聞いてみたら
初代が一番面白かったっていってたよ
- 39 名前:名無しさんだよもん :02/04/10 02:56 ID:R5BVrFWh
- メンテsage
- 40 名前:名無しさんだよもん :02/04/11 15:39 ID:aiDzUnce
- このスレ、多分次の圧縮で落ちると思う。
- 41 名前:名無しさんだよもん :02/04/11 23:37 ID:n07mDTjf
- メンテ
- 42 名前:名無しさんだよもん :02/04/13 14:04 ID:PzCxfnEX
- 読みました〜。なかなか面白いです。頑張って下さい。
スタトレは初代しか見てないんですが、続編も面白そうですね。
- 43 名前:名無しさんだよもん :02/04/14 09:53 ID:fzklgleh
- なにこれ?!めっちゃイイ!ケドっ!!
- 44 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/14 12:41 ID:wUaIbXe2
- アルファ宇宙域、地球。
宇宙艦隊ドライドック「リトルフラック・ヤード」。
地球と月の間、ラグランジェ1に位置するこのドライドックは、通常の造船廠だけでな
く、そこに勤務する士官やその家族を収容する居住ブロック、ひいては宇宙艦隊の分遣隊
を駐留させるための基地をも備えた大規模な施設だ。
様々な機能が集中しているため、各種プロジェクトやドック管理、技術分析などに佐官
クラスの人間が振り分けられ、対して基地を含む全体の指揮は提督(将官)が担う。
そんな規定があるからか、リトルフラック・ヤードを統括する久瀬准将は何かと自分を
「提督」と呼ばせていた。ちっぽけな自尊心を満足させるためだろうが、それはこの場以
外では意味のない言葉だ。
貧富の差や差別などが解消された24世紀においては「自分を高め、人類に貢献する」
ことこそが長い人生の目的になっている。しかし、この久瀬という男は数世紀前の権力
至上主義に妙な憧れを抱いているように思えてならなかった。
指揮した艦の模型や輝く勲章などで大仰に飾られた無意味に広い部屋――司令執務室。
久瀬はひとりぽつんとデスクについて、難しい顔でビューアーを操作していた。
ビューアーの画面には何かのログらしき文章の羅列が映し出されている。その端々に見
受けられる宇宙歴の記録を見る限りそれほど遠い昔ではない。むしろ2、3年前などの
ごく近い時期のものが多かった。
久瀬はそのログの最後の行で手を止め、
「コンピュータ、表示中のログの指定部分を削除。承認コード、クゼ3−2シエラ」
『削除しました』
そこに記されている何事かを削除すると久瀬はビューアーの画面を閉じ、沈痛な面持ち
でシートに身を沈めて思考に没頭した。
それを、ドアを開く許可を求める控えめな電子音が遮る。久瀬は苛立ちの表情を浮かべ
て扉の向こうを見やると、「入れ」と短く言った。
- 45 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/14 12:42 ID:wUaIbXe2
- 「失礼します、准将」
嫌味を感じさせない優雅で柔らかな声、ひとりの女性士官がふわりと部屋へ足を踏み入
れた。エタニティの開発プロジェクトを実質的に指揮した倉田佐祐理大佐だ。
その表情はしかし優雅な振る舞いには似合わない緊張感を帯びていた。それが自分に向
けられていると、久瀬は佐祐理の目を見て感じ取った。
「やあ、どうしんたんだい倉田大佐。定期報告を手ずから持ってきてくれたのかな?」
先程までとは一転してにこやかに応対する久瀬に、佐祐理は固い表情を崩さずデスクの
前に立った。
「単刀直入にお伺いします。艦隊司令部への報告に残された改竄の痕跡について、どう思
われますか?」
射るような佐祐理の視線を受けて久瀬は自然と含み笑いをもらす。
「いきなりだね。確かな証拠はあるのかい?」
「一連の改竄には私の権限でも解除できない暗号化プロトコルでロックされた痕跡が見受
けられました」
「改竄者が君より一枚上手だったのでは?」
「川澄少佐でも解除できないくらい高レベルのセキュリティですよ?」
感情を含まない声でヤードの保安主任の名前を出すと久瀬はふむ、と溜め息のように頷
いて意味ありげに佐祐理を見上げた。
「それは問題だね。つまりこのヤードの中に事件の内容を故意に曲げようとする者がいる
わけだ。調査委員会を編成して対処に当たる必要があるかな」
「その指揮を佐祐理に任せていただけますか?」
久瀬の言葉を遮るように佐祐理が申し出る。
- 46 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/14 12:42 ID:wUaIbXe2
- 「君が?」
「佐祐理はエタニティの建造からずっと関わってきました。それを、その処女航海で故意
に暴走させられ……」
「大佐」
久瀬は鋭い視線で佐祐理の言葉を封じる。しかし佐祐理は強行に続けた。
「……その事実を故意に隠蔽しようとする行為を、絶対に見逃すことはできません」
「全ての情報は確証がなければ可能性の域を出ない。君が言っていることがそうだ。出所
がどこかは知らないが、滅多なことを言うものではないよ」
「しかし、エタニティの作り出した亜空間チューブの中に別の宇宙艦のワープシグナルを
検知したことは間違いありません。少なくともこれは准将も御覧になりましたね?」
一瞬の沈黙。佐祐理と久瀬の視線が交差した。どちらも目を逸らそうとしない。
久瀬は肘掛に乗せた拳を強く握り締めた。対する佐祐理は厳しい表情だが自然体は崩さ
なかった。
「センサーの誤認の可能性もある。量子位相変動機が作り出す特殊な亜空間を解析する
のはまだ完全ではない、と技術部はいつも言っている。……何より君は今頭に血が上って
いるようだ。正常な判断を失い、偏見に凝り固まった目で見ている限りは調査委員会を
任せることはできないね」
勝ち誇ったように言う久瀬を佐祐理は見下ろし、つまりは彼が事件の調査を何としても
手中に収めておきたいのだと気づいた。
ヤードの司令は確かに久瀬だが、今までエタニティに関するプロジェクトの指揮は全て
佐祐理が執っていた。それを突然に自分が事故の調査を統括すると言い出した。
これはあまりにも不自然だ。
佐祐理はそこに何らかの意図を感じ取り、黙って久瀬を見つめた。
- 47 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/14 12:43 ID:wUaIbXe2
- 久瀬はそれを余裕の視線で受け止めると身体の力を抜いて足を組んだ。
「もう意見はないかな? では退出してよろしい」
再び生まれた静寂。やがて佐祐理は緊張を解いていつもの温和な表情に戻り、
「分かりました、失礼します」
そう言い残して執務室を去った。
再び室内は久瀬ひとりの空間になる。
(倉田佐祐理か。泳がせすぎるのは危険だな)
先程までの苦い表情を浮かべて、久瀬は佐祐理が出て行った先を見た。
能力の高さは使っている分には役に立つ。しかし自分に逆らうようになると――鬱陶し
げに舌打ちしつつ久瀬はシートから立ち、窓越しに見える地球の姿をしばし眺めた。
「あいつといい、倉田佐祐理といい、どうしてこうも僕の邪魔をする……!」
そうひとりごちる久瀬の顔は苦渋に満ちていた。同じプロジェクトを牽引しながら、自
分の足を引っ張る者が再び現れたのは果たして偶然なのか、或いは……。
「未だにあいつに足を引っ張られているのか、僕は?」
もうアルファ宇宙域、いや「この世界」にはいない男の顔を思い出しながら、久瀬は
拳を壁に叩きつけた。
倉田佐祐理大佐 私的記録 宇宙歴55506.4
エタニティの事故の原因を独自に調査していくのは限界がある。
調査委員会を指揮することを希望したが、准将はあまり乗り気ではないようだ。
この件は単なる宇宙艦の事故には留まらないことは間違いない。
消滅したクルーの安否はもちろんだが、このプロジェクト、もしくは惑星連邦に
敵対する勢力がいる可能性を考えて慎重に行動しなければならない。
- 48 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/14 12:44 ID:wUaIbXe2
- 狭く薄暗い整備用通路に足音が響く。それを発している者以外には人の気配はない。
その人物――佐祐理はかがんで足元の整備用アクセスパネルを開くと、トリコーダを手
にして何かを調べ始めた。
しばらくトリコーダを操作していたが、すぐに整備用コントロールパネルの設定を変更
してまた手元に見入っていた。
「これならどうかな……」
自然とそう呟きながらトリコーダに何かデータを転送していく。その場にある音は小さ
な電子音だけだ。佐祐理は何度かボタンを操作しながらも経過を見守った。
それから数分後、データのダウンロードを終えた佐祐理はパネルを閉じて立ち上がる。
次の瞬間、少し離れた通路に人の気配を感じて、腰からフェイザーを抜いて素早くその
方向に向けた。
「誰?」
張りつめた声で十数メートルほど離れた十字路を注視する。
するとその通路の陰に黒髪がふらふら揺れているのが見えた。
「佐祐理、何してるの」
ぽそりと小さな声がする。
それを聞いた途端、佐祐理は緊張を解いてフェイザーを収めると、軽い足取りで駆け出
しながら久瀬と相対した時とは全く違う砕けた口調で言った。
「あー、舞だーっ。どうしたのこんな所で?」
「それは私の質問」
「あ、あははーっ」
ヤードの保安主任、川澄舞少佐がいつものように抑揚のない声で答えると、佐祐理には
ただ困った顔で笑うしかなかった。確かに人気のないジェフリーチューブでこそこそと何
事かをかぎまわっているこの状況では誰が見てもただの不審者としか思わないだろう。
「ちょっと調べごとがあっただけだから」
「……そう」
「用事はもう終わったから一緒に戻ろ」
特に詮索する様子もなく舞は頷いて、佐祐理の横に並んで歩き出した。
- 49 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/14 12:44 ID:wUaIbXe2
- 勤務を終えた佐祐理たちはヤードの居住区にある佐祐理の自室に戻った。
2人とも私服に着替えて落ち着いた様子だ。佐祐理はレプリケータに頼らず自分でお茶
など淹れると、カップとお菓子の載ったトレーを手に舞の待つリビングへと歩く。
一方の舞はというと、借りてきた猫のようにちょこんと座り込んでいた。
「そんなに固くならなくていいよ、自分の部屋だと思っていいからね」
舞は無言でこくんと頷くが、まだ少し緊張しているようだった。
「佐祐理のお部屋、久しぶりだから」
遠慮がちに少し部屋の中を見回しながら言う舞に、佐祐理は屈託なく笑った。
「そうだね、でも前は地球だったよねーっ」
「佐祐理のお家、大きかった」
「舞、ひとりでかくれんぼしてたねっ」
佐祐理が楽しそうに言うと、舞は少し顔を赤らめて拗ねたようにぷいっと顔を背けた。
そうやってしばらく思い出話に花を咲かせていたが、佐祐理はふと切り出した。
「ねぇ、勤務中、どうしてあそこに佐祐理がいるって分かったの?」
突然の質問に舞はあられをぱくつく手を止めてちらりと佐祐理を見る。そして目を逸ら
し少し考え込んでから、
「何となくいるような気がしたから」
釈然としない答えを返した。しかし佐祐理は納得したように頷いた。
「そっかー、分かったんだね」
団子を頬張りながら舞は首肯で答える。
舞には何か不思議な力がある、と佐祐理は気づいていた。特に異星人との混血であると
いうわけでもないのだが、普通なら考えられない勘の鋭さや咄嗟の判断力を持っていた。
「これはヤードの、いや司令部の命令でもないんだけどね」
そう切り出しておいて、佐祐理はちらりと舞を見る。すると、舞は真剣な表情で見つめ
返してきた。
- 50 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/04/14 12:45 ID:wUaIbXe2
- 「佐祐理はね、エタニティの事故は誰かが引き起こしたものだと思ってるの。だからそん
な酷いことした人を見つけたい。あの場所でこっそり調べてたのも、フィルタリングされ
ていないログからデータを見つけるためだったの」
「悪いことしてる人がいるの?」
「まだ分からないけど……でもエタニティが他の宇宙艦の妨害を受けて消えてしまったの
は誤認でも何でもないって思ってるよ。でも、ここには情報が少ないんだよ」
佐祐理はその様子を思い出していた。センサーに現れたもう一隻の艦と、そこから放た
れた何らかのエネルギー放射。それは久瀬が「センサーの誤認」と片付けてしまったもの
だが、その一言では説明できない現実感があった。
少なくとも亜空間通信のログがあれば、と佐祐理は歯噛みした。エタニティが消息を絶
つまでは回線は開かれていたはずだ。ヤードでは受信しきれていなかったものの、太陽系
外に幾つか設置された中継用亜空間トランスポンダーを解析すれば何か手がかりがつかめ
るかもしれなかった。
「ヤードを出て探すのがいい」
今考えていたことを舞が言い当てるがしかし、基地勤務の身ではそれもままならない。
あくまでもヤード内で生き残っている情報を探すのが最優先だ。
「ふぇー、それは最後の最後まで取っておこうねぇ」
困ったように佐祐理が言うと、舞は煎餅をかじってこくりと頷いた。
少しの沈黙が部屋の中を満たす。テーブルに置かれたお茶とお菓子もいつの間にかなく
なっていた。
佐祐理は無言でそれをトレーに戻して立ち上がろうとする。
「……佐祐理」
突然口を開いた舞に、佐祐理は振り返った。
舞は真剣な表情で佐祐理を見つめていた。疑いようのない決意をその目に秘めて。
「私は、佐祐理の味方だから」
たった一言の舞の言葉。
それでも佐祐理は百万の仲間を得たような安心感を覚え、微笑んだ。
- 51 名前:名無しさんだよもん :02/04/14 12:47 ID:wUaIbXe2
- 雑談少なくて寂しいっす。
ところで次の映画"Nemesis"はどんな感じになるんでしょうかね。
紹介サイトとか見てるとかなり大きな変化があるようですが。
- 52 名前:名無しさんだよもん :02/04/14 22:53 ID:5EMqCS0O
- 知り合いの間では、今までの例から行って、日本での放送は4年後なんじゃないか
言われてます(TT) 内容的には宇宙艦隊黎明の頃の話らしいので、どう辻褄
合わせるかが楽しみです。
- 53 名前:名無しさんだよもん :02/04/15 00:04 ID:ekTu1Ctn
- >>52
それはTVシリーズの「ENTERPRISE」のことじゃない?
- 54 名前:名無しさんだよもん :02/04/15 01:19 ID:7soQ+Jur
- >51
雑談つーても、ここ葉鍵板だし…スタトレのことが語りたいなら
激しく板違い。逝ってよし!
- 55 名前:名無しさんだよもん :02/04/15 01:28 ID:hgQPfp4m
- このままで逝くとKanonキャラの出番は少なめですか。カナスィ
郁未はどうなりますか?
- 56 名前:名無しさんだよもん :02/04/15 01:43 ID:Ydgssm6F
- >>54
ごめんなさい。
逝ってきます。
- 57 名前:名無しさんだよもん :02/04/15 21:56 ID:aTjXH5JK
- ジェインウェイ艦長って、たしか「フェアヘヴン」とかいう
恋愛シミュレーションにはまってたな。
エロゲオタの俺たちと同じようなもんだな。
- 58 名前:名無しさんだよもん :02/04/17 01:54 ID:aPrtDfjW
- フェアヘブンはあくまでも「設定」でしかない。
今で言うオンラインゲーの「舞台」みたいなもんで。
しかし俺、ホロデッキがあったら一生出てこないかも。
えいえんの世界なんて目じゃないね(w
- 59 名前:名無しさんだよもん :02/04/17 21:49 ID:NB1MEhMq
- しかし、よくホロデッキのプログラムは暴走するからなぁ
ついでに命にかかわるようになる罠。
- 60 名前:名無しさんだよもん :02/04/18 01:32 ID:HsT0YRkG
- 転送装置の暴走ってあったよなぁ・・・。肉塊になっちまうんだろうか。
- 61 名前:名無しさんだよもん :02/04/19 02:29 ID:aS/bOw7V
- みさき先輩が転送事故で2人になったら、片方はどっぺる先輩なのだろうか。
- 62 名前:名無しさんだよもん :02/04/20 15:04 ID:sne40jCV
- 艦長、メンテ書きを進言します。
- 63 名前:名無しさんだよもん :02/04/22 17:07 ID:ER8/6H04
- 遮蔽装置解除。
メンテ。
そしてまた遮蔽。
- 64 名前:名無しさんだよもん :02/04/23 20:34 ID:hfvzNZlI
- ENTERPRISEのOP見たが、けっこう面白そうダターヨ
- 65 名前:名無しさんだよもん :02/04/25 01:24 ID:oPk3w2CN
- 面手
- 66 名前:名無しさんだよもん :02/04/26 09:47 ID:zBBbZpla
- 国崎提督「いつだって片道切符しか持って無いぞ」
- 67 名前:名無しさんだよもん :02/04/27 09:28 ID:Ak0ctg3h
- そういや、はぎやもスタトレマニアなんだよな
- 68 名前:名無しさんだよもん :02/04/28 19:47 ID:AwGIHyYr
- ちょっとメンテ。
そしてワープ9で退避。
- 69 名前:名無しさんだよもん :02/04/30 02:32 ID:kwGor83C
- 再度メンテ
そしてワープ9.5で退却しちゃうぞー。
テレビ埼玉でヴォイジャーがやってるの最近知った・・・。
- 70 名前:名無しさんだよもん :02/04/30 23:15 ID:GLP/0IKh
- そういえばUNICODE2.0にクリンゴン語が入るって話、どうなったか知ってる?
- 71 名前:名無しさんだよもん :02/05/02 11:34 ID:fmrxohes
- トリブル「ぴこぴこ〜」
- 72 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:00 ID:8hbsVXBS
- U.S.S.エタニティ、ブリッジ。
雪見は背筋をぴんと伸ばし、厳しい表情で正面スクリーンを見据えていた。
そこにはシンプルな制服に身を包むFARGO巡視員の姿が映し出されている。
『貴艦の要求に応えることはできない。速やかにこの宇宙域より退去せよ』
「……ですから、この件についてFARGO政府と話をさせてください、と再三申し上げ
ています。それすらも叶わない状況で私たちにどうしろというんですか?」
内容のない押し問答に、雪見はもううんざりだという風に両手を上げて頭を振る。
この状況も一度や二度で済んだのであれば少しは納得もできるだろうが、ここ数日の間
に全く同じやり取りを幾度となく繰り返していれば、いかに辛抱強い雪見でもいい加減、
頭にきていた。
『速やかに退去せよ。応じない場合は攻撃も辞さない。通信終了』
感情のない警告と共にFARGO巡視艇の通信が一方的に打ち切られると、雪見はブ
リッジの手すりにもたれかかりながらため息をついた。
以前、葉子のエルポド級と遭遇した際にFARGO領域からの退去を命じられて以来、
エタニティはそれを守って迂回コースを通ってきた。
しかしどこへ行こうとも、前に進もうとすれば必ずFARGOから警告を受けていた。
今も領域にほんの数百万km程度侵入しただけで数時間とかからずに小型の巡視艇が送り
込まれてくる。どのような探知システム・情報ネットワークを持っているのか定かではな
いが、その反応の速さは尋常ではなかった。
できる限りその星の法を犯さず、目的の特異点まで辿り着くことができるか。それが今
の雪見にのしかかる最大の問題だ。
- 73 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:01 ID:8hbsVXBS
- 作戦室に主要な士官を招集し、雪見はもう何度目か知れない会議を開いていた。
直線距離であればひと月程度しかかからない距離でも、大きく迂回すれば数ヶ月、最悪の場合では半年近くもかかると、科学士官の茜は計算していた。
「半年というのは絶対に避けなければいけないわね。それに、いくら迂回したからといっ
て、特異点のある座標まで必ず到達できるとは思えない……むしろ永遠に堂々巡りを繰り
返すと考えたほうがいいかも」
「はい」
微妙に皮肉の色を帯びた雪見の言葉に茜は小さく頷き、壁に設置された中型のビュー
アーに歩み寄って周辺の宇宙図を表示させた。
この一週間というもの、エタニティはFARGO周辺の宇宙域をぐるりと一周するよう
に移動していた。領域に踏み込むための正当な理由がない以上は仕方がないのだが、それ
でもクルーの間には明らかに不満が募っていく。
「おあずけを言われたままご飯を食べられない犬みたいだよ」
とはみさきの言。言いようはともかく今のエタニティの状況を端的に表していた。
「ここ最近の情報から有益なものは得られた?」
雪見はビューアーの航路データをチェックしながら当のみさきに訊く。
情報収集や交易のため何度も船外任務に出たみさきなら、そこから得られたデータから
何かを導き出しただろう。無論、その「何か」があればの話だが。
「駄目なんだよ。少なくとも、この辺りの種族はほとんどがFARGOにはあまり好意的
じゃないのは分かるんだけどね。あの人たちが周囲にどれだけ圧力をかけているのか、言
葉の端々から伝わってくるよ」
確かにね、と雪見は苦笑する。領域侵犯だけでもあれだけ厳しい警戒を敷いているのに、
それが政府レベルでの軋轢となればどれほどのものになるだろうか。
- 74 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:01 ID:8hbsVXBS
- ともかくFARGOという共同体の性質はあまりに閉鎖的で、融通が利かない。そんな
彼らと交渉することは並大抵の努力ではないだろう。
だからといって安易に武力を行使したり、その政府の法を犯すのは宇宙艦隊の士官とし
て恥ずべき行為だと雪見は思っていた。
「ともかく、今後も粘り強く交渉を続けていきましょう。……ところで上月さん」
『?』
テーブルについている士官たちの中でも一際小柄なのが、食事用トレーほどもある巨大
なパッドを両手で掲げた。『?』はその画面に表示されている。
彼女は機関主任の上月澪中尉だ。なりは小さいし見ていて色々と危なっかしい部分はあ
るが、その才能と情熱は素晴らしいものがあると雪見は評価していた。
「ワープドライブの強化作業、遅れがちのようだけどどうなっているの?」
『あのね』『ここで採れるダイリチウム、質が悪いの』
「それは分かってる。でも、特異点を突破するためには高い精度のワープ航行が必要不可
欠だってことと、あまりここに留まっていられないことも理解して」
『うー、なの』
背中を向けてビューアーの情報をチェックしながらの事務的な雪見の言葉に、澪はう
にゅ〜と困った顔でパッドを掲げた。
「うーうー唸る前に頑張るのよ、上月さん」
そんな澪に背中越しに言うする雪見。ちなみに澪のほうを見ていなかったりする。
「もしかして雪ちゃん、後ろ見えてる……?」
みさきが恐る恐る言ったのを、雪見はそ知らぬ顔で流した。
- 75 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:02 ID:8hbsVXBS
- エタニティは次の交易先に向けてワープで航行していた。
何をするにも、まず情報を手に入れなければいけない。そのため雪見はFARGO周辺
の星系に積極的に立ち寄って情報を集めると同時に、彼らの政治や文化に大きな影響を及
ぼさない――「艦隊の誓い」に抵触しない――程度の技術を提供・交換したりして交流を
図っていた。
雪見はブリッジの艦長席に腰を下ろして、ひとつの線のようにスクリーンの後ろに流れ
ていく星々をただ見つめる。何か思案している顔つきだが、その実何も考えていない。
「艦長、そろそろ目的の領域に到着します……後10分程度です」
背後からのオペレータの報告が耳に入ると、雪見は止まっていた頭を回転させ始めた。
「今から天体測定室で情報の最終チェックをしてきます。……みさき、お願いね」
小さく息を吸い込んで立ち上がり、隣の副長席にいるみさきを見ると、
「わ〜いカレ〜だよ〜いっぱいお代わりするよ〜ぇへへへへ〜」
幸せそうな寝言など呟きながら口の端からよだれをたらしていた。
雪見は頭痛を覚えてこめかみを押さえると、だらんと投げ出されたみさきの足を踏んづ
けてからブリッジを発った。
「うー、雪ちゃん極悪人だよ〜」
背後からの理不尽な非難を艦長日誌に書きとめてやろうかと思いながら。
- 76 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:02 ID:8hbsVXBS
- ターボリフトを降りた雪見は天体測定室へと歩く。今回の交易の「商品」となる、この
周辺宇宙域の比較的高精度な星図のチェックを行うためだ。
それはこの宇宙域の一般的テクノロジーからするとかなり詳細な情報を含んでいて、場
合によっては紛争の引き金ともなりかねない。しかし雪見はそういった暗黒面をしっかり
と調査した上で、信用できる相手とだけ交渉するように心がけていた。
「里村中尉、準備はできてる?」
天体測定室へ入ると同時に一声を発し、コンソールにぽつんと座っている茜を見る。そ
れから彼女の視線を追うように正面スクリーンに目を遣った。
そこにあるのは宇宙の光景。ワープ中にあるエタニティから見える星々はブリッジと同
じように、長い線のような軌跡を描いていた。
「里村中尉?」
もう一度訝しげに名前を呼ぶと茜はゆっくりと上体を捻って雪見のほうを見、そしてこ
んなことを言う。
「流れていく星……雨のようです」
「雨? ワープ中の星が?」
はい、と茜は小さく頷く。
雪見はしばらくスクリーンに流れる星を見つめ、そして微笑んだ。
「叙情的ね。上も下もない宇宙に降る雨――私たちは光より速く降り注ぐ幾多の雨粒の中、
遥か高みを目指してどこまでも駆け抜けていく……」
舞台劇の台詞のように、静かな感情を込めて言う。アカデミー在籍以前より演劇をやっ
ていた経験からか、時折こんな芝居じみた物言いをすることがあった。
「でも」
茜は小さく呟いた。そこにかすかな感情の色、悲しみがあることに雪見は気付く。
「その雨の向こうに何が待っているんでしょうか? 誰かが待っていてくれるとでも言う
んでしょうか?」
- 77 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:03 ID:8hbsVXBS
- 溜め息をもらしながら、かすれたような声で茜は続け、
「あいつが行ってしまった日、ずっと雨が降ってました。私は地球からそれを見上げてい
ることしかできなくて……何もできなくて……」
過去への悔恨が宿る遠い冷たい目でスクリーンに流れる星を見つめた。
雪見は茜からの報告書で彼女の知る過去の出来事を「記録」として知ってはいたが、
それは単なる事実の羅列であり、そこから何らかの感情を抱こうというものではない。
しかし今、茜の「悲しみ」を目の当たりにすることで、雪見は初めて顔を曇らせて
そっと彼女の肩に手を置いた。
「大切な幼馴染と離れ離れになって、辛かったでしょうね」
その言葉に茜が無言で頷いた。
次の瞬間、艦全体を突然の大きな揺れが襲う。慣性制動機が吸収しきれないくらいの
大きな衝撃。システムがオーバーロードし、コンソールのいくつかから火花が散った。
「あっ!?」
虚を突かれた雪見が姿勢を崩し、よろける。それに気付いた茜が振り向いて手を差し伸
べようとしたが、再度襲った揺れに完全に足を取られて雪見は床に叩きつけられた。
「艦長…!」
悲鳴のように小さく叫びを上げる茜に、雪見は素早くコンソールに手をかけて大丈夫、
と頷いた。目立った怪我はないようだ。
「深山よりブリッジ、報告!」
『航路に突然入ってきた未確認艦とFARGO艦の戦闘に巻き込まれちゃったんだよ』
みさきからの返答を聞いて雪見が眉をひそめる。今航行しているのはFARGOとは
全く関係ない領域だ。しかも航路妨害をしたのは向こうなのに攻撃とは。
「詳しい話はブリッジで。すぐ戻ります」
- 78 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:03 ID:8hbsVXBS
- 打撲したのだろうか、雪見は肩を押さえながら立ち上がり、みさきにそう返答して扉へ
と一歩踏み出す。しかしそこで立ち止まり、
「中尉」
「はい」
「生死の確認が取れていないのなら希望はあるわ。くじけないで待ってあげて」
振り返りながら言うと、茜はさっと表情をかげらせて答える。
「……はい…」
その返答がこれまで以上に憂いを含んだものなのを少し気にしながらも、雪見は足早に
天体測定室を後にした。
ターボリフトの中でいらつきながら待つ間にも、何度となく振動が艦を襲っていた。
ここまで執拗な攻撃を受ける理由がどこにあるのかと理不尽に思いながら、雪見は足早
にブリッジに入った。
非常警報が発令されて照明が落とされ、赤い非常灯が点滅するブリッジ。雪見はスク
リーンに一瞥をくれてから背後の作戦士官に視線を飛ばす。
「状況は?」
「現在、未確認艦とFARGO艦1隻が、方位270、マーク10、800万kmの位置で
戦闘を繰り広げています。そして……」
幾度となく繰り返される衝撃に作戦士官は一旦言葉を切り、
「シールド75%……そして、もう1隻がこちらに無警告で攻撃を仕掛けてきています」
「こちらから通信しようとしても向こうが回線を開いてくれないんだよ。しょうがないか
ら敵意がないことだけでも分からせるためにひたすら回避行動。ほんと大変だよ」
今まで指揮を執っていたみさきが付け加える。
交渉の余地なし。比較的穏健に思えた葉子ですらこちらの言葉に聞く耳を持とうとはし
なかった。それが決められた命令をこなすだけの巡視員であれば尚更ということか。
- 79 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:04 ID:8hbsVXBS
- 雪見は神妙な面持ちで艦長席につき、メインスクリーンを見据えた。
「船体側面と後部のシールドエミッタ、構造維持フィールドに優先してパワーを回して。
回避パターン・ゼータ5、スラスター最大!」
冷静ではっきりとした口ぶり、雪見の指令が飛ぶとブリッジに独特の緊張感が走り、
それに呼応してエタニティは急激な回避行動を開始した。
各部インパルスドライブを全開にして数G加速をかけ、急激なバレルロールで相手艦を
振り切ろうとする。
スクリーンに映し出された情報によればFARGO側の艦は先刻も遭遇した巡視艇で、
葉子の乗っていたエルポド級と比べればメインパワーもスラスター推力も劣る。
それはエタニティに対してもいえることだ。実験艦とはいえギャラクシー級を遥かに凌
ぐ戦闘能力を持っているこの艦なら、ランナバウトより若干大きい程度の巡視艇を沈める
ことなど赤子の手を捻るようなものだ。
しかし巡視艇は大出力のポーラロン兵器を装備していて、このまま攻撃を受け続けてい
くと艦の損害も大きくなる。実際、繰り返される攻撃でエタニティのシールドは半分近く
にまで消耗していた。
「回避パターン変更、エータ9。もう1隻のFARGO艦に向かって」
「雪ちゃん、何をするの?」
素早く戦術を切り替える雪見に、驚いたようにみさきが問う。
「まとめて相手をします」
特に感情を込めずサラリと言ってのけるが、それが意味するものはすなわちFARGO
との敵対ということになる。ブリッジにざわめきが広がった。
「こちらの通信を受けようとせず、一方的に攻撃を仕掛けてきた相手よ。これは正当な
自己防衛です」
- 80 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:05 ID:8hbsVXBS
- そう言っている間にもエタニティは複雑な機動と加速でFARGO巡視艇を振り切ろう
としつつ、離れた所で戦闘を繰り広げるもう2隻の宇宙艦へと接近していく。
「攻撃を受けている艦が通信可能域に入りました」
センサーを監視していたオペレータが告げると同時に、スクリーンに拡大された映像が
映し出された。
ほとんど同サイズの2隻、戦闘の様子を見る限りFARGO側に明らかに分があった。
深山は神妙そうに眉をひそめながら言う。
「通信回線を開いて。――こちらはU.S.S.エタニティ艦長の深山雪見です。これから貴艦
を援護します」
しかし、スクリーン上にノイズ混じりで映し出された女性はかぶりを振った。
『艦長の天沢郁未よ。……悪いことは言わない、今すぐ逃げなさい。連中を敵に回しても
得るものはないわ』
疲労の色が強いながらも毅然とした口ぶりで彼女、郁未が言う。この短い間にもスク
リーンの向こうでは振動と小爆発が繰り返されていた。撃沈されるのは時間の問題だ。
「一切の交渉を受け入れない彼らを相手にしても得るものはないと思います。だったら、
話の通じそうな相手を選ぶのが賢明でしょう?」
そういって静かに微笑む雪見を、郁未は画面の向こうでしばらく見つめていた。腹の内
を探ろうとしているのか、と雪見は直感的に気付く。確かに渡りに船としてはあまりにも
都合がよすぎた。少なくとも郁未にとっては、だが。
数秒経って、郁未は覚悟を決めたように首を縦に振った。
『あのタイプの巡視艇はパワーリレーに若干の問題があるの。ポーラロンビーム発振器か
らパワーのフィードバックが起こると、それがリアクターまで伝わってパワー停止、最悪
の場合は爆発の可能性がある。それを狙って。こちらの武器では向こうのシールドを完全
には貫けないんだけど、そっちはどう?』
「問題ありません。天沢艦長は回避に専念してください。こちらに考えがあるので2隻と
も引き受けます」
- 81 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:05 ID:8hbsVXBS
- 少し驚いた風の郁未に雪見は無言で頷き、通信回線を閉じた。
並進していたエタニティと郁未艦が左右に分かれ、別々の方向に進んでいく。
エタニティと正反対の方向に向いた郁未艦は、次の瞬間にはワープに入って姿を消す。
編隊を組んで航行していたFARGO巡視艇も二手に分かれて追撃に入った。
エタニティはやや加速を緩めて後ろについている1隻を十分に引きつけ、急激な機動で
郁未艦が進んでいる方向へと変針した。
それを合図に雪見が指示を出す。
「フェイザー用意。相手の武器システムを狙って……発射!」
船体をゆったりとバンクさせて艦首を上げていきながら、第一船体上面のフェイザーア
レーから2度、3度とフェイザーを発射した。
1発目と2発目はシールドを完全に貫通するまでには及ばないが効果はあった。巡視艇
の動きがにわかに鈍くなる。
そこに3発目のフェイザーが撃ち込まれた。シールドを貫通し、武器アレーを正確に捉
えた一撃。巡視艇は小規模な爆発を何度か繰り返した後、左右のワープナセルから光を
失って完全に沈黙した。
ブリッジ内の空気が一瞬だけ緩むが、巡視艇はまだ1隻残っている。この緊張を持続さ
せなければならない。雪見はすかさず次の命令を出した。
「ワープ準備」
再びブリッジにざわめき。雪見は不安そうに振り返った操舵士に冷静に答えた。
「一瞬の隙を突いてワープで懐に入り込むのよ。相手艦の速度と移動距離を誤差として
修正するのを忘れないで。いい、一瞬が勝負よ」
操舵士はゴクリと唾を飲み込んで頷く。航星任務経験の少ない新人にとっては、あまり
にも荷が勝ちすぎか、と雪見は内心思う。
しかしそれは顔に出さず事務的に言った。
「コース維持。ワープ1、発進!」
- 82 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:06 ID:8hbsVXBS
- ランダムな回避パターンを取りつつひたすら追っ手から逃れようとする郁未艦。
巡視艇はそんな獲物をひたすら追い続ける猟犬のように、的確な追撃コースで攻撃を加
えていく。何度となくビームが郁未艦を捉えていた。
満身創痍の郁未艦は既に機動性が落ちていて、これ以上の回避は不可能とすら思える状
態だ。あと数発も攻撃を受ければ沈みかねなかった。
そして不運にもその時が訪れる。
インパルスドライブの光が急激に落ち、船速がみるみる下がっていく。急激な機動で
それをフォローしようとするが、無駄な足掻きでしかない。
チャンスとばかりに巡視艇が武器の装填を開始した。
その瞬間。
突如として巨大な船体がワープアウトし、その視界を塞いだ。それは敵艦追尾中に航路
を侵犯した大型宇宙艦。巡視艇はクルーの驚愕を表すように急回避した。
それを追って大型宇宙艦――エタニティはインパルスドライブを最大にし、加速を開始
する。ワープ状態では通常空間での速度はゼロ。ワープ直後の素早い機動開始がこの戦術
の要だ。
先ほどとは立場が逆転、追われる側となった巡視艇は船体後部のポーラロンビームを闇
雲に乱射しながらエタニティを振り切ろうとする。
しかし最大推力で勝るエタニティはぴったりと食いつき、離れようとしない。
エタニティは数度フェイザーを発射、4発目がシールドを貫通して巡視艇の左ワープナ
セルを剥ぎ取った。
エタニティのブリッジ。雪見が厳しい表情でFARGO艦に通信を送る。
「FARGO巡視艇に通達します。こちらはU.S.S.エタニティ艦長の深山雪見大佐。これ
は貴方がたの理不尽な戦闘行為に対する正当防衛です。お互いにこれ以上の犠牲を払わな
いためにも、生存者を救出して速やかに退避することをお勧めします」
- 83 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:07 ID:7WgznIhH
- 巡視艇から返信は入ってこないが、撃沈された1隻が浮遊する方へと向かい、そのまま
飛び去っていったことが事実上の返答といえた。
ブリッジの各所から安堵の溜め息がもれた。クルーの多くは本格的な実戦を経験するの
は初めてだ。その重圧は並大抵のものではなかっただろう。
気持ちを落ち着かせていく雪見のよこで、
「雪ちゃんすごいよ、きそーてんがいだよ」
自分で言っている意味が分かっているのかどうか、みさきが能天気に褒め称える。雪見
は溜め息混じりに答えた。
「一定の距離を置いてのワープによる奇襲。部屋に戻ったら戦術教本の『ピカード・マ
ニューバー』の項を見直しなさい」
「……うー」
何やら不満げに唸るみさきを無視しつつ、雪見は事後処理を始めていく。
「非常警報解除。天沢艦長の船を回収しましょう。ずいぶんやられたみたい」
『話がちょっと違わない? 2隻とも相手にするんじゃなかったの?』
絶妙なタイミングで郁未から苦笑気味な通信が入ると、
「相手はしました。過程はどうあれ結果的に、ね」
雪見は悪戯っぽく微笑んだ。
深山雪見大佐 艦長日誌補足 宇宙暦55520.8
今回の決断によって結果的にFARGOとの関係が悪化してしまったが、状況から
鑑みると妥当な決断である。
救出した天沢艦長の艦は損傷が激しく、エタニティで回収して修理をすることにした。
彼女が何故FARGOと敵対していたのか、質問する機会を得られるだろう。
- 84 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:07 ID:7WgznIhH
- 艦の修理が終わるまで、雪見は郁未にエタニティ艦内を案内していた。
「それにしても凄いテクノロジーね……」
「私たちの領域でも最新鋭の艦ですから。基本的な設計思想は従来と変わりませんが、
各種システムをより先鋭的に組み合わせています」
「例えば?」
「光子とフォースフィールドによる擬似人体を持った人格プログラムを緊急事態に備え
て装備していますが、それを投影するためのシステムを艦の主要部に多数設置しています。
場所によっては……私たちが今歩いている通路でも使えるようになっていますよ」
艦のシステムについて幾つか解説を加えながら、2人はやがて機関室へと足を進める。
すると、室内を忙しそうにとてとて走り回っていた澪が駆け寄ってきた。
『あのね』『いらっしゃいませなの』
澪は無邪気な笑顔で郁未に巨大なパッドを向ける。当の郁未はしばらく面食らっていた
ようだが、やがて笑顔でそれに応じた。
澪を交えた3人で機関室の奥に入っていく。青白い光を放つ通常ワープコアの向こうに、
もうひとつ幻想的な輝きを放つコアがある。量子位相変動機のコアだ。
それを見て、郁未の表情が途端に重苦しいものになった。
「これって……」
「これが実験艦エタニティの鍵、量子位相ワープドライブの中枢です。いくつか事情が
あって、今はほとんど使用されていませんが――郁未さん?」
- 85 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/02 13:09 ID:7WgznIhH
- 郁未は沈痛な表情で腕組みをすると雪見に向き直った。
「FARGOが貴方たちに注意を向けていた理由がよく分かった。もしこの存在を知られ
ているとしたら、貴方たちはこの先ずっとFARGOの干渉を受けることになるわ」
「どういうこと……?」
訝しげに問い返す雪見。
「この領域で、この技術はFARGOが独占しているものだからよ。見たところ全く同じ
システムね……どこから入手したの? 情報部の統制は完璧のはずよ」
「入手も何も惑星連邦が開発した技術を組み込んだだけ。偶然の一致では? ……それよ
り郁未さん、貴方どうしてそんなにFARGOに詳しいの?」
まっすぐに見つめてくる雪見の目を、郁未は同じくまっすぐに見返す。2人の間に緊張
が走った。その隣では澪が1人おろおろしたりしている。
郁未はなおも雪見をまっすぐに見据えていたが、
「改めて自己紹介するわ。私の名前は天沢郁未、元FARGOクラスA。今は訳あって
彼らと袂を分かった身だけどね」
複雑な感情を込めた声で言い、量子位相変動機をもう一度チラリと見た。
- 86 名前:名無しさんだよもん :02/05/02 16:42 ID:7ANksyzE
- age
- 87 名前:名無しさんだよもん :02/05/03 04:31 ID:lJYvOc3o
- キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
- 88 名前:名無しさんだよもん :02/05/05 05:10 ID:jF+wA89i
- メムテ
- 89 名前:名無しさんだよもん :02/05/05 18:38 ID:ebVaGMno
- キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
- 90 名前:Caretaker :02/05/07 07:14 ID:pkB64bWB
- メンテ。
- 91 名前:Q :02/05/08 01:09 ID:aQ+cSRC1
- ageちゃったりなんかしちゃったりして〜
- 92 名前:葉鍵トレッキー :02/05/08 11:50 ID:xWF5Rxur
- このスレ復活していたのか…。
age!
- 93 名前:名無しさんだよもん :02/05/08 20:02 ID:y1i1WMMq
- ageとくか。
- 94 名前:名無しさんだよもん :02/05/09 01:49 ID:OyZJdnWW
- こみパキャラだとSTじゃなくてギャラクシークエストになるんだろうか(w
- 95 名前:重複スレより転載 :02/05/09 02:33 ID:o75XxVE6
- 続・スタ-トレック間違って録画しちゃった人の数→
ttp://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1020851113/
1 名前:名無しだよもん 投稿日:02/05/08 18:45 ID:eniuQbs2
前回の失態に懲りずまたやってしまった・・・・。
2 名前:弾長 ◆ZNDg0V8c 投稿日:02/05/08 18:46 ID:fyWc5OWs
うわぁ・・・
3 名前:名無しだよもん 投稿日:02/05/08 18:47 ID:eniuQbs2
過去スレ http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1015/10151/1015143621.html
4 名前:名無しさんだよもん 投稿日:02/05/08 18:49 ID:Lb0cF7OY
ネットがあるこのご時世に何故間違えるのか、小1時間…。
5 名前:美坂香里 ◆KaoriLvQ 投稿日:02/05/08 19:00 ID:br6jDBFO
取り敢えず、踏んでおこうかしら♪
6 名前:名無しさんだよもん 投稿日:02/05/08 19:02 ID:qemQX7EW
過去ログの7にワロタ いや、最近そのソフトを買ったもので。
7 名前:名無しさんだよもん 投稿日:02/05/08 19:32 ID:drRAaGMb
両方見ればええんでは? どっちかといえばスタトレのほうが・・・だがな。
- 96 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:00 ID:ifBnnu6o
- エタニティのクルーは交易のため、とある惑星を訪れていた。
艦の修理などで手間取って交渉時間に間に合わず、破談に終わってしまった商談の帰り。
たまたま立ち寄った惑星をスキャンしてみると手付かずのダイリチウムが埋蔵されてい
ることが判明した。
連邦艦のワープ機関にダイリチウムは不可欠だ。できうる限り許可を得て採掘しておく
に越したことはない。そのため上陸班が急遽編成され、この地域を統括している種族と
接触したのだった。
「では、ここではダイリチウムの採掘は行われていないということですか?」
質素な様式の会議室。交渉開始から予想外の展開を見せ、雪見は戸惑い気味に言う。
異星人のリーダーはそんな雪見に苦笑しつつ、机に埋め込まれた立体ビューアーを作動
させて彼らのワープドライブの構造図を表示させた。するとその場にいるクルー全員が
興味津々といった様子でそれを覗き込んだ。
「このように、我々はダイリチウムを使わない方式でワープシステムを完成させたんだ。
物質・反物質の対消滅エネルギーもないことはないが、基本的にはダイリチウムにはさほ
ど価値を感じてはいないよ」
「興味深いですね……後でこちらの機関主任にも見せたいです」
雪見はビューアーの映像から目を離さずに言った。澪がもしこの場にいたら目を輝かせ
て食い入るように見たことだろう。
しばらくの沈黙の後、交渉が再開される。しかしそれは単に場所を借りることへの同意
を得るだけだった。
「もしよろしければこちらが自力で採掘しますが」
という雪見の申し出に、リーダーは笑顔で頷く。
「構わないよ。対価を考えても、せいぜい作業の手数料くらいなものだろう」
「ありがとうございます」
こうしていともたやすく交渉は成立した。
- 97 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:01 ID:ifBnnu6o
- 「今回は本当にありがたい申し出でした。ただの旅行者で右も左も分からない私たちに
ここまで好意的にしていただいて、お礼のしようもありません」
そう安堵の息をつく雪見に、リーダーがやや苦い表情で答える。
「実のところ我々としても困惑しているんだよ。分かっていると思うが、この周辺の共同
体は、今まで君たちを色眼鏡で見てきた」
「はい」
それは雪見も薄々ながら感づいていた。その理由が単純に「余所者だから」ということ
ではないことも。
この星域での最大勢力であるFARGOと「非協力的ではない」関係を築いてきたこと
が、数の上でFARGOを上回る周辺の種族に良くない印象を与えていたのだろう。
「しかし先日、君たちにはできる限り協力しろという話がでてきたんだ。誰からかは……
言わないでも分かるかもしれないが」
敢えて名を出そうとしない思わせぶりなリーダーの言葉に、雪見はある人物の姿を思い
浮かべた。
それはほんの数日前。
「改めて自己紹介するわ。私の名前は天沢郁未、元FARGOクラスA……今は訳あって
彼らと袂を分かった身だけどね」
彼女、すなわち郁未はエタニティの機関室で自分の素性を明かした。
かつてはFARGOに身を置きながら、今は逆にFARGOの利己的な性格――極めて
一方的な政策や、時折行われる人間の強制徴集――にレジスタンス活動を行っているとも
言った。その勢力はFARGO周辺の星系のほとんどに及び、直接参加はしていなくても、
経済面などで協力している種族もあるという。
「私たちにもそれに参加しろというの? それなら無理な相談よ。惑星連邦の理念に反す
る行為だから」
雪見は顔をしかめて郁未に告げた。「艦隊の誓い」に背くことはできない。
- 98 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:01 ID:ifBnnu6o
- しかし郁未はその言葉を聞いても表情を変えようとはしなかった。その答えを予め予想
していたのかもしれない。
それどころか悪戯っぽい微笑を浮かべながら、
「思うままに進めばいいわ。そこに私たちが『勝手に手を出す』だけだから」
雪見の表情が一層険しくなるのもお構いなく、郁未は続けた。
「貴方たちは故郷に帰るためにどうあってもFARGO領域に入らなければならない。
そして私たちもまた、そこへ入り込みたい。彼らと戦うためにね」
「私たちを利用しようというわけね」
射るような雪見の視線を、郁未は不敵に受け止める。
「貴方たちにだって利点はある。私たちが陰からバックアップするんだから」
「そんなこと頼んでない」
「好むと好まざるとに関わらずということよ。すぐに分かると思うわ」
そこで郁未はいったん雪見から視線を逸らすと、小さく息をついた。
「貴方はFARGOの恐ろしさをまだ知らない。彼らと戦う道を選んだことがどんなに
厳しいか、ね」
「今回の件は正当防衛よ。それが分からないわけが――」
「彼らにそんな理屈は通じないわ。抵抗するものは全て敵。それをこれから身を以って知
ることになる」
恫喝とも取れる言葉だが、そこにあるのは郁未自身のFARGOへの嫌悪と恐怖だ。
「だからこそ、私たちは協力しあうべきなのよ」
そう言って向き直った郁未の眼差しは今までにないほど厳しいものだった。
- 99 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:02 ID:ifBnnu6o
- 交渉を無事に終えて、雪見たちはこの惑星の居住区を徒歩で散策していた。
異星人のリーダーをガイドに、統治システムや文化についての多くを教わる。知的探究
心を旨とする連邦士官であれば興味がわかないはずがない。
しかし雪見の顔は晴れなかった。
知らないうちに彼らのネットワークに組み込まれている。雪見は郁未との短いやりとり
を思い出しながら終始浮かない表情だった。
しばらくの間、雪見は上の空で歩いていたが、突然鳴った胸のコミュニケータに意識を
引き戻された。
『みさきより雪ちゃん、大変なんだよ、早くこっちに来てよ〜』
緊張感に欠ける物言い。雪見たちより先に市街地で情報収集をしていたみさきのチーム
からだった。
雪見は溜め息混じりに答える。
「みさき、勤務中は勤務中は艦長って呼びなさいって言ってるでしょ!」
『雪ちゃんだって名前で呼んでるよ?』
「……」
ついいつもの癖が出て雪見は一瞬気まずく沈黙するが、すぐに気を取り直し、
「何が大変なのかはっきりしなさい」
『こっちに来てもらえば分かるよ。ただ、ここの人たちが通してくれないんだけどね』
「今どこにいるのか訊いてもらえるかな?」
そのやり取りを聞いていたリーダーが雪見に言う。その声はコミュニケータを通して
みさきにも伝わっていて、すぐに答えがきた。
『スクラップになった機械を置いてあるところ。ちょっと気になることがあるんだよ』
「市街地外れのジャンクヤードか。そんな場所で何を?」
不思議そうに呟くリーダーに雪見は呆れ顔で肩をすくめた。
- 100 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:02 ID:ifBnnu6o
- クルーの合流と回収も兼ねて、異星人のコミュータ(シャトル)でその場所に向かう。
彼らのいうジャンクヤードとはその名前から連想されるような廃材置き場ではなく、
資材の再利用を目的とした正式な、そしてとてつもなく巨大な工業設備だった。
「凄いですね……」
コミュータのナビゲータ席から眼下を見下ろしながら雪見が感慨深げに呟く。
そこはシャトルから小型宇宙艦程度のサイズを扱う設備だ。耐用年数を過ぎて現役を
退き、再び訪れた第2の人生すらも終えた老朽艦が並べられている光景はある意味で壮観
ですらあった。
長い時を経た機械が持つ独特の空気がそこかしこから発せられている。
雪見は少尉に任官して始めて配属された艦の雰囲気を思い出して、小さく微笑んだ。
コミュータを降りて、立ち並ぶ宇宙艦の威容に圧倒されそうになりながら歩く。
「あっ、雪ちゃん雪ちゃん」
ふと、その雰囲気を台無しにするような緊張感に欠けた声。その方向に視線を飛ばすと、
先に到着していたみさきや澪、他のクルーたちの姿があった。
「さっき言ってた気になることって何?」
雪見は単刀直入に訊いた。
「私の『目』にちょっと引っかかったものがあるんだよ」
そう言ってみさきは自分の目を指差す。幼少時の事故で視力を失い、インプラント手術
を受けた。その後、宇宙艦隊に配属されてからはただの視覚補助ではなく、通常の人間で
は感知できないレベルでの光学情報を得られる機能を付与していた。
「まさかとは思うんだけど、とにかく中に入って確かめたいんだよ」
「何か君たちのお眼鏡に叶うものでも見つかったかな?」
異星人のリーダーが興味深げに問うと、みさきは
「こんなところにあるはずがないとも思うんだけどね」
不思議そうに答えた。
- 101 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:02 ID:ifBnnu6o
- 一言で表すなら、絶句。
上陸班全員が目の前の「それ」を見て言葉を失っていた。
「どうして……こんなところに『これ』があるの?」
雪見は疑惑の念を払いきれず、眉をひそめながらそれを見上げた。
文字通りジャンクの山に埋もれ、黒焦げになった連邦宇宙艦のワープナセルを。
長さにすれば100mもない。小型〜中型艦のもののようだ。
しかしもしかしたらそう見えるだけかもしれないと、雪見は無意識のうちにトリコーダ
を手にしてスキャンを始めていた。
船殻はデュラニウム合金をベースにした複合材、内部構造は多数のワープコイルと、そ
れとは別系統のエネルギーを処理するためのドライブがある。最後の1つを除いて連邦の
艦と全く同じ材質・構造だ。
そして、決定的なポイントがひとつ。
ワープコイル周辺のプラズマコンジットに微かに残されていたプラズマの痕跡、それが
連邦のワープシステムのそれと完全に一致していた。更に別系統で用意されたドライブに
エタニティの量子位相ワープドライブと全く同じエネルギーの痕跡があった。
雪見同様トリコーダを手にした澪も、はわはわしながらその辺りをとてとて駆け回って
いる。彼女たちだけではない、エタニティのクルー全員が、このありえない遺物をただ見
上げていた。
不意に雪見がジャンクの山に足をかけ、呆然とする一同を尻目に登り始めた。
「わっ、雪ちゃん危ないよー」
両手で目を覆いながらもその隙間からしっかり見つつ言うみさきに片手を振って答え、
雪見はどんどん上を目指していく。何度かジャンクを崩しながらも、数分後にはナセルの
上に立っていた。
コツコツと音を立てて、雪見は足元を注意深く見下ろしながら歩き回る。ところどころ
に亀裂が走り、黒焦げになった外殻。淡いライトグレーの外装も今は見る影もない。
しばらく歩いて、雪見は決定的なものを見つけた。
- 102 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:03 ID:ifBnnu6o
- かすれてしまった赤いラインの先端にあるアローマーク――制服の胸につけられたコ
ミュニケータと同じエンブレムだ――と、「U.S.S.FALCON NCC-69304」の文字。
(U.S.S.ファルコン……)
雪見は悲痛な表情でそれらを見つめる。茜の報告書にあったその名前を忘れようはずが
ない。それは彼女の幼馴染が乗り、ある実験中に消息を絶った艦の名だったからだ。
溜め息をついて天を仰ぐ。
これをどう茜に伝えればいいのだろう。ただ「ファルコンのワープナセルの残骸を発見
した」と、ありのままの事実を伝えればいいのだろうか。仮にこの事実が最悪の結果を意
味するものだとして、自分はそれをどう表現すればいいのか。
嘆息する他なかった。
雪見は肩を落としながらナセルから降り、平坦な足場を見つけて飛び降りていった。
地面に降り立つと足早にリーダーに駆け寄り、
「あれがいつどこで発見されたかご存知ありませんか? できれば、残りの部分がどこに
あるかを教えていただきたいんですが」
ナセルの残骸を振り返りながら訊く。しかしリーダーはかぶりを振った。
「最初からあれだけしかなかったよ。恐らくこの星で事故にでも遭ってもぎ取られたのだ
ろうがな」
「事故に遭った人たちの救出などは行われなかったんですか?」
無言で首を横に振る。それを見て雪見の表情が一層険しくなった。
宇宙艦のワープナセルがもぎ取られるくらいの事故が起こったとして、まず脱出しない
はずがない。脱出したのであれば救助されているし、この星域で惑星連邦の存在が知られ
ていただろう。しかしこの惑星の人々は宇宙艦にせよ人間にせよ連邦のことなどまるで知
らない。完全に消息不明だった。
「あるいは、彼女なら何か知っているかもしれない――天沢郁未なら」
まただ。結局は彼女次第ということか。その言葉に雪見は肩をすくめて天を仰いだ。
- 103 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:03 ID:ifBnnu6o
- 何の確証も得られないまま時間が過ぎ、雪見は空を見上げていた。
ファルコンのワープナセルはそのまま処分してもらうことに決めた。エタニティに持ち
帰るなど不可能だし、再利用しようにも対消滅エネルギーを使うワープシステムはここで
は発達していないのでほとんど無価値だったからだ。
今は軌道上を周回していたエタニティを呼び寄せて、クルーと手に入れた物資の収容を
しようとしているところだ。今回の目的だったダイリチウムの採掘はまた後日ということ
になりそうだった。
「あー、あの雲ケーキみたいだよー」
『おいしそうなの』
ほのぼのとした約2名をとりあえず見ないようにしつつ、雪見は腕組みをして苦い表情
を崩せないでいる。
しばらくの間、何事もなく時が過ぎる。
そして時は唐突に訪れた。
『エタニティより艦長』
通信が入る。艦長も副長もいない中、エタニティで艦長代理を勤めている保安主任だ。
木陰に座り込んでいた雪見は立ち上がると、居住まいを正して応えた。
「どうしたの、少佐?」
『FARGO艦1隻が惑星への降下軌道に入っていきます』
その途端、雪見が息を飲んだ。通信を聞いた他のクルーも表情を引き締める。
「軌道の予測はつく? できるなら接触しないようにしたいんだけど」
『これは……艦長たちのいる方向へ向かっています……!』
「何ですって!?」
雪見が小さく叫ぶと同時、数百m離れたところに数名が転送されてきた。
陽炎のようなシルエットが5つ。
姿がはっきりしてくる。うち4名はシンプルな服の巡視員、そして先頭に立つ1人は
女性だった。葉子が着ていたのと同じような宗教衣装を思わせる服装をしている。
- 104 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:04 ID:ifBnnu6o
- その女性が一歩前に踏み出し、
「これよりFARGOによる臨検を行います。拒否すれば敵対行動とみなし、制裁を加え
ます。速やかに武装解除してこちらの指示に従いなさい」
自我を全く感じさせない虚ろな目で周囲を見渡しながら機械的に言葉を紡ぎ出した。
そこには一切の感情が込められていない。非人間的で、本能的な嫌悪感を感じさせた。
雪見は女性に向かって歩きながら、
「そんな一方的な命令を承服するつもりはありません」
毅然と言い放った。
「……惑星連邦所属エタニティの艦長、深山雪見。先日の我が同胞への戦闘行為により、
貴方がたは排除対象となっています。今すぐ投降しなさい」
その言葉とともに背後の巡視員が腰から武器を抜き、前へ出る。
雪見は無言のままその場に立ち止まって5人を見つめる。
「今すぐ投降しなさい」
女性は何の感慨もなく同じ言葉を繰り返す。
「女! 止まれと言っているのが聞こえないか!」
巡視員の1人が感情的に叫んで武器を向け、トリガーに指をかける。
雪見はそれに素早く反応して腰からフェイザーを抜いて横に跳ぶと、さっきまで立って
いた場所に高出力ポーラロンビームが着弾する。
雪見は一瞬嘆息しながらも、覚悟を決めてトリガーを押し込んだ。光線が的確に相手の
胸を捉えると、巡視員はその2発目を虚しく宙に向けて放ってそのまま地面に崩れ落ちた。
「何の交渉も持とうとしない貴方がたの言葉を聞くつもりはありません」
雪見はフェイザーを下ろして強い口調で言う。結局話し合いに持ち込めなかった苛立ち
がそのまま顔に出ている。FARGOへの不信感は、もはや敵対感情にも近いものになり
つつあった。
それでも女性はなんの感情も見せなかった。しばし無言で雪見を見つめ、
「……制裁を加えます」
そう言った瞬間。
- 105 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:04 ID:pkNiuep1
- 雪見の視界が歪む。目の前に巨大な凹レンズを埋め込まれたかのようだ。
眼前の光景はやがてぐにゃりと捻じ曲がる。それに巻き込まれたかのように身体の自由
を奪われ、フェイザーを握る右手が見えない力で持ち上げられた。
「どういう、こと……っ!?」
右手の自由を取り戻そうと力を込めるが全く微動だにしない。歯を食いしばって全身の
力を振り絞ると、それを見透かしたように突然の浮遊感が身体を襲った。
「え?」
呆然。
身体が宙に持ち上げられたと思うとそのまま百数十m後ろの地面に叩きつけられ、その
衝撃で数mほどバウンドした。フェイザーもあらぬ方向へ転がっていってしまった。
「うぁっ!」
肺から全ての空気が搾り出され、雪見は小さく喘ぐ。自分の身体の自由を奪われた挙句
に勝手に宙に放り出される、自分の身に起こっている現象が全く理解できなかった。
「どういう、こと……?」
「制裁です」
いつの間にか自分を見下ろすように立っていた女性が、雪見を無感情に見下ろしながら
言う。そのあまりにも冷たい視線に、雪見は本能的な恐怖を覚えた。
しかしその恐怖は身体を萎縮させるものではない。雪見は冷静に護身用のハンドフェイ
ザーを取り出し、素早く仰向けに転がって女性に向けてトリガーを押し込んだ。
「!」
驚愕に目を見開き、女性が崩れ落ちる。それと入れ替わるように雪見が肩で息をしなが
ら立ち上がり、コミュニケータに触れて叫んだ。
「深山よりエタニティ、全員を緊急転送!」
次の瞬間にはその場にいたクルー全員が、小さな光のきらめきとなって消えた。
- 106 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:05 ID:pkNiuep1
- 辺りを見回すと、第2船体後部に位置する貨物室の無機質な風景が広がる。
全員が無事に艦に戻ったことを確認してから、雪見は小さく安堵の息をついた。
「……っ!」
気を緩めた途端に激痛。未知の力で地面に叩きつけられた打撲傷で、肩と背中がずきず
きと疼いていた。
先ほどの状況を思い出してみる。相手が何らかの道具を使った様子はない。テレキネシ
スのような超能力の類だろうか? 精神の力だけでここまで物体に作用できる能力をその
目で見たのは、雪見にとっては初めての経験だった。
興味深い。確かに興味深いが、今はそれを考察している時ではない。
雪見は近くにいた医療助手から鎮痛剤のハイポスプレーを受け取って無言で部屋を出よ
うとする。行き先は無論ブリッジだ。
「雪ちゃんじっとしてないと駄目だよ〜」
『なのなの〜』
おろおろしながらすがりつく約2名を振り解きながら(約1名はブリッジに同行するの
だが)、雪見は通路に出てターボリフトへ向かった。
みさきと一緒にリフトに入ると、雪見は力尽きたように荒い息で内壁によりかかった。
痛みで身体に力が入らない。何とか気力を振り絞ってハイポスプレーを注射した。
「無理したら駄目だよ。雪ちゃんただでさえ無茶しがちなんだから」
心配そうに顔を覗き込んでくるみさきに弱々しい笑顔で答えて、雪見は壁から身体を離
した。しかし足に力が入らずよろけてしまい、すかさずみさきがその身体を支えた。
「ごめん……」
「そんなこと言わなくていいよ。こんなことでお礼言ってたら私なんて雪ちゃんにいくら
お礼してもし足りないよ」
「そういえば、そうね」
2人して小さく笑い合ってターボリフトを出た。
- 107 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/10 14:06 ID:pkNiuep1
- ブリッジに戻り、雪見は艦長席につく。その顔色が優れないのをクルー全員は感じ取る
が、毅然とした態度で指示を飛ばし始めるとブリッジの空気は元に戻った。
鎮痛剤が効いてきたせいか身体の痛みはない。少し頭がぼんやりするが時間が経てば直
ると分かっていたので、少しだけ意識を強く持つことにした。
「コースセット。方位070、マーク20」
雪見の言葉に従って操舵士が艦を回頭させると、左舷の窓に映る青々とした惑星表面が
背後に流れていく。
「インパルスドライブ最――」
その発進の指示を遮るようにオペレータの緊張した声が響いた。
「艦長、先ほどのものとは別のFARGO艦1隻が惑星の軌道に接近中……方位120、
マーク80。本艦へのインターセプトコースを取っています」
「スクリーンに」
右舷後方から接近する宇宙艦の映像。FARGOの中でも新鋭艦に入るエルポド級だ。
それ自体は何度も出会っているが、雪見は何か胸騒ぎのようなものを感じた。
「呼びかけています」
というオペレータの言葉に視線と首肯で答えて、雪見はスクリーンに向き直る。
『こちらはFARGO所属エルポド艦長、鹿沼葉子です』
「葉子さん……」
忘れ得ない顔だと雪見は内心思う。顔をあわせたのはまだ2度目だというのに、強烈な
印象を残していた。
『宇宙艦エタニティとそのクルーには、FARGOへの反逆に対して制裁を加えます』
「待って葉子さん、こちらの話も聞いて」
『駄目です。貴方がたは私たちの秩序を乱しました。その報復です』
地上で戦った女性とは違ってこちらの言葉に対して一応反応はしてくれるが、その声に
はやはり感情の欠片もこもっていなかった。
戦うしかないのか、雪見は心の中でそう呟いた。
- 108 名前:名無しさんだよもん :02/05/10 14:07 ID:ifBnnu6o
- ageておきます。
- 109 名前:名無しさんだよもん :02/05/11 01:12 ID:bgWe37vE
- このスレ落ちてもwebのどこかで続けます。
やってて自分が楽しいから(w
いえ、それが現実にならないほうがいいのでしょうが。
- 110 名前:名無しさんだよもん :02/05/11 02:22 ID:/4nzzTba
- >>109
作者の方ですか?
今頃初めて読んだんですが素晴らしいですな。
このスレの長寿と繁栄を!
- 111 名前:名無しさんだよもん :02/05/12 01:46 ID:NwvOc+wy
- >>109
webのどこかで続けていただけるにしても、
そう簡単にこのスレ落とすわけにはいきません(w
よ〜しパパ毎日メンテしちゃうぞ〜
- 112 名前:名無しさんだよもん :02/05/12 02:43 ID:HVfeBw7f
- >>111
プタック! メンテはdat数が550に近づいてからでいいだろう!
……クリンゴン風に罵ってみようとするがうまくいかない罠(w
- 113 名前:名無しさんだよもん :02/05/15 00:52 ID:pzAkYCIz
- 今datで500くらいか。
どっちにしてもボーグ並のスレ増加は止まらないね。
- 114 名前:葉鍵トレッキー :02/05/15 23:23 ID:jWDHkz+H
- 今、全部読見終えた。>STAR TREK:Eternity
書き方がうまいですね。
VGRでTNGのテイストが少し入っている感じですね。
自分も書きたいが、文才&科学知識が半端だからな…。
>51
事実上TNGの最終作でロミュランとの話だそうです。
そして、あの人が(以下ネタバレ自粛
- 115 名前:葉鍵トレッキー :02/05/17 00:22 ID:8PU63nah
- 早く続きを…。
面手!
- 116 名前:名無しさんだよもん :02/05/18 02:21 ID:C8cNW3W6
- そろそろ圧縮臨界が近いな。
非常警報!
- 117 名前:名無しさんだよもん :02/05/19 01:37 ID:aN3A4+C6
- live550突破!衝撃に備えろ!
- 118 名前:名無しさんだよもん :02/05/19 21:13 ID:SP4z7N6G
- 今日は死ぬにはいい日かもしれんな……。
- 119 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/20 16:51 ID:QB+fu3vl
- 「スラスター最大、回避行動」
エタニティは惑星軌道上を離れて最大推力で加速していく。その背後にはエルポドが
ぴったりとつけていた。
今までの経験からエルポド級は中型艦でありながらもエタニティに劣らない部分がある
ことが分かっていた。機動性と航続力に優れ、攻防のバランスが取れている。サイズ故の
制約から深宇宙探査には向かないものの総合的な性能に優れた艦だ。
相手を振り切れず退避同然の状況。それは何とか葉子と交渉するための時間稼ぎだった。
「あの件は明らかにこちらの正当防衛よ。それが分からないはずがないでしょう?」
『貴方がたが私たちの理念を受け入れないからです。もしそれを理解していれば、余計な
争いはしないで済みました』
「私たちは私たちの理念で動いているし、他の種族だって同じ。でも他の領域でまで、
それを他者に押し付けたりはしない……ここはFARGO領域ではないでしょう?」
『関係ありません。FARGOの理想こそが唯一です』
雪見はスクリーンから目を離して眉間を指で押さえる。あまりにも一方的すぎた。
ここまでくると統制というより洗脳に近い。理性にせよ感情にせよ人の内面にあるもの
で動いているのではなく、強制的にその教えを刷り込まれ、ただそれに従っている。
雪見は小さく息をついてからスクリーンに向き直った。画面の向こうの葉子はこちらを
ずっと見続けていた。
「残念だけど私たちはその『理想』には賛同できない。FARGOがあくまでもその態度
を崩さないのであれば、こちらも譲歩はしないと思っていいわ」
葉子はじっと雪見の目を見つめた。雪見の中にある思いをそこから読み取るように。
そしてほんの少しだけ表情を張り詰め、
『貴方のように思慮深い方がFARGOの理想に共感しないのが残念です』
小さな声で言った。しかしすぐに感情を押し殺して続けた。
『速やかに武装解除して投降してください。さもなくば、制裁を加えるのみです』
- 120 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/20 16:51 ID:QB+fu3vl
- 或いはそれは葉子なりの配慮なのかもしれないと雪見は思った。本来ならば、いつかの
巡視艇や先ほどの相手のように一方的に攻撃を加えるだけなのだろうが、こうして交渉を
持とうとしているのだ。たとえそれが一方的な最後通牒であっても。
しかしこれ以上話しても平行線だ。雪見はもう一度だけ葉子をまっすぐ見つめた。
「U.S.S.エタニティとそのクルーは惑星連邦の理念に従って行動します。この先、それが
変わることはないと強く信じています」
沈黙が訪れる。2人の視線が交錯していた。意図を探るためではなく、互いの立場とそ
の理念が揺らぐことはないのだと、そう再確認するだけの無言の遣り取りだ。
それは敵同士の腹の探りあいではなく、古い知己が視線だけで分かり合っているような
雰囲気すらあった。分かり合っているのに受け入れられない、そんな矛盾。
『……分かりました』
どれだけの時間が過ぎただろう。やがて葉子は目を伏せて言い、通信を断った。
ブリッジにはまだ先ほどの沈黙の名残があった。どこか穏やかささえ感じさせるような
静けさ。しかし雪見は表情を引き締めて告げた。
「非常警報」
照明が落ち、赤い非常灯が点滅を始める。
「これから交戦状態に入ります。スラスター最大、攻撃パターン・ベータ2」
エタニティはそれまでの緩やかな回避パターンをやめ、急激な戦闘機動に入った。
同時にエルポドもインパルスドライブの輝きを強めて追撃に移る。
2艦は星系の外周部まで外れたところで戦闘に入った。複雑な機動で背後の取り合いを
しながら、フェイザーとポーラロンビームが何度も交差した。
- 121 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/20 16:52 ID:QB+fu3vl
- 着弾の衝撃で揺さぶられるエタニティのブリッジに、様々な報告が飛び交う。
「第22デッキ・セクション10の隔壁に亀裂!」
「艦尾シールド60%にダウン!」
「艦尾の構造強化。攻撃パターン変更、アルファ4」
雪見の指示でエタニティの動きが変わる。エルポドに接近しながら連続してフェイザー
を発射していった。積極的な攻撃で相手の戦闘能力を削ごうとしていた。
4発、5発とフェイザーがエルポドのシールドに撃ち込まれる。その光景を見ながら、
雪見は何らかの違和感を禁じえずにいた。
(効果がない……?)
エルポドにダメージを受けている気配がない、そう感じていた。
エタニティも連続攻撃を受けて少なからずダメージを受けている。エルポドもそれは同
じ、むしろエタニティより小型でダメージコントロールが利かない分、相対的な被害で見
れば大きいはずだ。
しかしエルポドの勢いは衰えていない。戦闘を始めた時と比べて変わった様子が見受け
られなかった。
「こちらの攻撃の効果は?」
正面スクリーンを見据えたまま訊ねる。戦術士官はしばらくコンソールを操作していた
が、スキャンで得られた結果に驚きの声を上げた。
「敵艦のシールドに何らかの位相変化を探知、こちらのフェイザーが中和もしくは無力化
されているようです」
なるほどねと雪見は頷き、素早く次の指示を出した。
「フェイザー周波数をランダム変調モードに切り替えて。相手のシールドが対応できない
ように、できるだけ短いスパンに広い周波数帯で」
武装周波数の変調は元々対ボーグ用に追加されたシステムだが、セキュリティの問題か
ら今では多くの連邦宇宙艦に採用されていた。かつて宇宙艦隊の旗艦が、シールド周波数
を敵に知られていともたやすく撃沈されたことも教訓となっている。
- 122 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/20 16:52 ID:QB+fu3vl
- 周波数を次々に変えながらのフェイザー攻撃。全ての攻撃を一瞬で解析・無力化する
ボーグならともかく、普通の艦であればそれを防ぎきることは不可能なはずだ。
実際、戦術を切り替えてからエルポドの反撃が少しずつ弱まっていた。機動力は衰えて
いないもののある程度ダメージを受け、積極的な攻撃を控えるようになっていた。
「攻撃を続行。並行して向こうの武器システム、特にシールドエミッタの構造をできる限
りスキャンして」
冷静に指揮を執りながら状況を見守るが、やはり決定的手段が必要だった。この間も艦
はダメージにさらされ、シールドも限界に近づいている。
やがてスキャン結果が出た。それを目の当たりにして、戦術士官は困惑気味だった。
「シールドの位相変化に妨害されて正確ではありませんが、少なくともシールドエミッタ
には特別な機構は見受けられません」
雪見は思わず後ろを振り返った。
「おかしいわね。シールド以外でそんなことができるものが他にあるかしら」
「ディフレクターのような機構が補助として作動している可能性はないでしょうか?」
オペレータが口を挟むと、
「待ってください。敵艦内部からシールドに向けて、ある種のタキオン位相体が放射され
ているのを探知。これがシールド周辺の時空に影響を与えているようです」
「もう少し詳しい情報をお願い」
雪見に促されて戦術士官はコンソールを慌しく操作し続けた。
「お待ちください……な、何だこれは?」
表示された内容に一瞬我が目を疑いながらも言葉を繋いだ。
「タキオン位相体の発振源を特定、場所は……敵艦ブリッジ中心部」
そのあまりにも奇妙な一言に雪見たちは言葉を失い、スクリーンに映るエルポドの艦影
をただ呆然と見つめた。
- 123 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/20 16:53 ID:QB+fu3vl
- エルポドのブリッジ。
そこには宇宙艦の中、それも戦闘中とは思えない清廉な空気が漂っていた。
シンプルな衣服を身につけたオペレータたちが無感情にそれぞれのコンソールに就く中、
葉子は中央に位置する艦長席でかすかな苦悶の表情を浮かべていた。
精神を集中させ、自らの意思の力を身体中から手繰り寄せる。頭から爪先、手の指一本
に至るまで意識を投影させていく。身体の中から『力』が呼び出されていき、それがぼん
やりと身体の内側で漂っているのが分かる。
そうして集めた純粋な『力』に、意識を通して明確な形を与える。
シールドの重力場を媒介にして周囲の時空や位相を揺らがせ、敵の攻撃をそらす力。
それを自分の眼前にあると想像し、シールドに向けて解き放つようにイメージする。
目に見えないその力はエルポドの外装をすり抜けて直接シールドに作用し、自分の思う
通り、シールドの位相を歪めていく。
葉子はこうすることで、エタニティのフェイザーによる位相変化を中和していた。
しかし、数分前から状況が変わった。
攻撃を受ける度にフェイザーの性質が微妙に変化するようになった。周波数が変動して
いるせいで位相変化のパターンがいくつにも揺らいでいた。
それが葉子の精神に負担をかける。ただ単純な作業ではなく、次に来る位相変化を予測
して『力』を投射しなければならなかった。
それが外れればフェイザーはシールドにダメージを与えそれは少なからず船体にも影響
を及ぼしてくる。エルポドの船内に振動が走ることが多くなってきていた。
「艦長、シールドが弱まっています」
「……分かっています」
クルーの機械的な報告に、葉子は小さく答えた。
精神がすり減らされているのが自分でも分かっていた。ここまで連続して『力』を使う
のは滅多にないことだ。このままでは持たなくなると、頭のどこかが警鐘を鳴らした。
- 124 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/20 16:53 ID:QB+fu3vl
- 意識が混濁してくる。与えられた任務に集中しなければならないのに、なぜか個人的な
ことを考えてしまっていた。
深山雪見。彼女は自分の知っている誰かに少し似ている。分かり合っているのに受け入
れられない……矛盾しているが、葉子は雪見をそんな風に捉えていた。
そして、そんな矛盾を彼女に生じさせる相手がもう1人いた。
思い出すだけで心がチクリと痛む。
かつて同じFARGOに身を置きながら裏切った女性。
いや、「裏切った」のではない。最初からFARGOの教えに共感などしていなかった
のかもしれない。ただ、真実を求めてそこに身を投じただけなのだろう。
天沢郁未、彼女はそういう人物だった。
刹那、
(――ッ)
葉子の心の奥底、抑え込んでいた感情に波が走る。
諦め。
失望。
憎しみ。
それらが奔流となり、葉子の意識を吹き飛ばす。
故意に埋め込まれたもうひとつの意識が絶叫する。
意思のない、制御を離れた生の『力』。
暴走したその『力』は、かすかに残された意識の導管を伝ってストリームとなり、エル
ポドのシールドへと吸い出され、弾けた。
クルーたちはその光景を唖然と見つめるだけだ。
ブリッジが沈黙する中、葉子はその場にゆっくりと崩れ落ちた。
それを見計らったように後方から白衣の男が悠然と歩み出る。
「ふん、ロスト……か」
嘲るように呟き、下卑た笑いを浮かべて葉子を見下ろす。
それは高槻だった。
- 125 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/20 16:54 ID:QB+fu3vl
- エルポドの動きが少しずつ鈍くなっていく中、エタニティの攻撃は続く。
急激な機動で背後に回りこんでフェイザーを撃ち込みながら、断続的な抵抗はシールド
で何とか抑え込んでいる。もっともエタニティの船体も相当の被害を受けていたが。
勝ちとは言わない、少なくとも撤退を考えるくらいのダメージは与えたい。雪見はそう
思いながらエルポドを見つめていた。
被害報告ばかりが続く中、戦況を観察していた戦術士官がエルポドの変化に気付いた。
「敵シールドの位相変化が止まっていきます。今なら効果的なダメージを与えられるかも
しれません」
雪見が頷いて答え、
「武器アレーを狙って――発射」
そう命令を出した次の瞬間。
予想だにしない強い衝撃がエタニティを襲った。
フェイザー発射のほんの一瞬前、弱まっていたエルポドのシールドに突如として未知の
エネルギーが大量に注ぎ込まれていた。
そこにフェイザーが着弾、シールドに弾かれる。
シールドの周囲でわだかまっていた膨大なエネルギーは、着弾したフェイザーを伝って
エタニティへと飛んだ。金色に輝くプラズマ放射が螺旋を描いてエタニティのフェイザー
アレーに吸い込まれていった。
第1船体下面のフェイザーアレーがオーバーロードを起こして弾け飛ぶ。その爆発は周
囲に及んで数デッキ分の外装を吹き飛ばしていた。
突然の衝撃。ブリッジの照明が一瞬明滅し、コンソールが火花を散らす。
「何が起きたの!?」
雪見は髪を振り乱し、シートに身を押し付けながら叫んだ。
「着弾直後に未知のフィードバックサージ、フェイザーアレーに甚大な被害!」
戦術士官が答えた直後、更に一際強い揺れが襲う。コンソールが何度も火を噴き、スク
リーンが明滅し、やがて光を失った。
- 126 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/20 16:54 ID:QB+fu3vl
- すぐ補助パワーに切り替わって何とか人の顔が分かる程度には明るくなったが、たちこ
める煙とコンソールから時折噴き出す火花は被害を予想させるには十分だ。
「報告!」
「第1船体下面フェイザーアレーが機能停止、それに伴って第15から第19デッキに
かけて甚大な被害。機関部にも問題が認められます」
オペレータが被害報告を素早くまとめると、雪見は素早く機関室を呼び出した。
「ブリッジより機関室、状況を報告して」
「〜〜〜(えぐえぐ)」
コミュニケータの代わりに天井に設置されたホロプロジェクターが作動して、涙目でお
ろおろしながら巨大なパッドを振り回す澪の姿が投影された。パワー供給が不安定なせい
で時折ちらついたり明滅したりした。
「上月さん、報告をお願い」
『あのねのねのなのなの〜〜』
錯乱しているのかパッドの画面には意味不明な文字の羅列が表示されている。
「上月さん」
『あのね、あのね、あのね〜〜〜〜〜〜』
「……コンピュータ、ホロプロジェクター停止」
嘆息しながら言うと、謎の踊りを繰り広げていた澪の姿が消えた。
コンソール周りの応急処置を終えたみさきが戻ってくると、雪見は苦笑気味にぼやいた。
「この船、つくづく運がないわね」
みさきは少し考えていたがすぐににぱっと笑い、
「きっと雪ちゃんの日頃の行いのせいだよ」
そんなことをのたまった。
- 127 名前:STAR TREK:Eternity(w :02/05/20 16:54 ID:QB+fu3vl
- 雪見、しばし無言。呆れているようだ。そして溜め息と一緒に言葉を吐き出す。
「あんたみたいな太平楽にだけは言われたくなかったわ」
みさきはしばらくそれを頭の中で反芻していたようだが、やがて首を傾げて言った。
「……もしかしてひどいこと言ってる?」
「どうかしらね」
笑えない漫才を展開している間にも状況は刻一刻と変化していく。
雪見はエルポドの状況を観察しながら次の手を考えていた。
補助パワーで何とか持たせているとはいえ、ほとんどのシステムが停止した状態ではま
ともに戦闘などできるはずがない。相手からすれば大きな打撃を与えた今が絶好のチャン
スのはずなのだが、攻撃してくる様子がなかった。
2艦ともにその場に漂っている現状。奇妙な沈黙だ。
ここは一旦退くべきだろう、手元の小さなコンソールで概況をチェックしながら雪見は
思考を巡らせる。エルポドにも何らかの異常が起きたのなら、今が退避のチャンスだ。
しかしその考えはオペレータの一言で打ち砕かれる。
「艦長、敵艦が呼びかけています」
一時停戦の申し出は思えない。雪見は小さく息をつくと、覚悟を決めて正面を見た。
「スクリーンに」
映し出されていた宇宙の映像が、エルポドのブリッジに切り替わる。
しかし画面の向こうに立っているのは葉子ではない。
陰湿な微笑みを浮かべる白衣の男だ。
『降伏するなら今のうちだ。少なくとも命だけは助けてやってもいい』
スクリーンに映し出された男――高槻は開口一番そう言う。
その嘲るような口調に、雪見は本能的な嫌悪感を覚えた。
- 128 名前:名無しさんだよもん :02/05/20 16:56 ID:QB+fu3vl
- 計算を誤って1回に収まりませんでした。
次は地球編のはずだったのに。
- 129 名前:名無しさんだよもん :02/05/21 05:17 ID:wHaLzPG7
- キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)?_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
- 130 名前:名無しさんだよもん :02/05/22 01:46 ID:YHPqGSyk
- お、スタートダッシュしてしばらく止まってたけど再開かね。
不可視の力がとんでもないことになってるし。
いや確かにMOON.でもそんなのだったが。
あと深山さんのジェインウェイ化が著しいね(w。
>>114
亀レススマソ。
ここはひとつ試しに書いてみるとよかれ。
- 131 名前:名無しさんだよもん :02/05/22 03:19 ID:zYChatxW
- ヴォイジャーもそうだけど、補充人員のいない状況でクルーが減ったら
どうしているんだろう?
- 132 名前:名無しさんだよもん :02/05/22 03:55 ID:s0jvi4Jh
- セブンとドクターだけ起きててあとの奴は寝て(?)たときでも
なんとかやってたから少し減っても問題ないと思う。
- 133 名前:名無しさんだよもん :02/05/22 07:56 ID:BN5GfLZS
- ヴォイジャーでは152人のクルーのうち100人いれば
何とか運用できるって言ってたね。
- 134 名前:葉鍵トレッキー :02/05/24 07:25 ID:hADp+UlP
- >>130
そう言われると書いてみようかと思うよ。
>>133
結局、ヴォイジャーは帰った時何人になっていたんだろうね…。
途中で何人か補充されたけど、彼らは以後一度も出なかったからね。
- 135 名前:葉鍵トレッキー :02/05/24 12:49 ID:hADp+UlP
- 宇宙…それは最後のフロンティア。未知の世界を探索して、
新しい生命と文明を求め、日々人類未踏の宇宙に踏み入れている。
しかし、それは逆になんの力も持たない者には恐れるべき脅威でしかない。
そして俺は皮肉にもその宇宙でただ一人でいる…。
STAR TREK survival
柳也大尉 個人日誌 519843.2
U.S.S.タクティクスが撃沈されて一週間が過ぎた。
まだ、救助は来ない。この一週間他の生存者を探索したが、見つからなかった。
この戦闘域において救助が来るのは難しいだろう。
しかし、悪いことは続くものだ。環境制御システムに故障が発生してしまった。
修理を試みるも、修理は不可能と判明した。
環境制御システムは持って後一日だ。状況は絶望的である。
- 136 名前:葉鍵トレッキー :02/05/24 12:56 ID:hADp+UlP
- 「以上報告終了。」
俺はそう言うと外を見つめる。一週間という日々を一人で過ごしてきた俺は
孤独を感じていた。普段は群れるのは好まない俺だが、
やることもほとんどなく、誰とも話さないとなると無という恐怖が襲って来る。
一ヶ月前に撃沈されたU.S.S.バリアントの生き残りから得た情報で、
タクティクスはドミニオン新型艦の製造工場を破壊する命令を受けた。
俺はこの任務で初めて保安主任としてこの船に配属となった。
連邦の反攻作戦が進行しつつある今、
この作戦も重要なものであったのは言うまでもない。
作戦は順調であった。そして、成功するかと思われた。
しかし、12隻のドミニオン艦に不意をつかれ、
反撃する前にEPSリレーがダウンしてしまった。
ディファイアント級の戦艦とはいえ、パワーがなければ手も足も出ない…。
そうこうしている間に艦は撃沈寸前になり艦長が退避命令を出し、
脱出ポットで脱出するもポットは次々にドミニオン艦に撃沈されていく…。
まさに地獄だった。俺はその場にはいなかったが、
ボーグと戦ったウルフ359の戦いもこのような悲惨なものだったのだろう。
俺の保安主任としての門出は最悪なものとなってしまった。
俺はこれからのことを考えていた、環境制御システムはあと一日だ。
わざわざ、苦しむこともないだろう。もう死んで楽になるのもいかもしれない。
死の誘惑が俺の首をもたげる。
幸い俺には家族はいないし、友と呼べるやつもいない。
死んでも悲しむやつはいないだろう。
「しかし…。」俺は一人呟いた。俺は腐っても宇宙艦隊の士官だ。
例え絶望的な状況であろうと艦隊の士官たるもの諦めないことだ。
心の奥底にあった潜む死の恐怖が俺を必死に留める。
だが、苦しくなったら楽になろう。俺は心の中ではそう呟いた。
- 137 名前:名無しさんだよもん :02/05/24 16:14 ID:21FHFqae
- おお、新シリーズだ!
舞台はガンマ宇宙域だね。
続きに期待。
ときに神奈や裏葉は出るのだろうか……?
- 138 名前:葉鍵トレッキー :02/05/26 00:21 ID:upvWw6qV
- 俺はコンピューターを見る。今だ救助信号を聞きつけての通信は入らない。
俺は思った。このまま、救助が来ないのなら救助信号を止め、
そのパワーをなんとか環境制御システムに転用することはできないか。
刹那的ではあるが、死を先延ばしすることが出来る。
俺は機関系のことには詳しくない。しかし、応急的な知識は持っている。
悩んだ結果、俺は死を先送りすることにした。
死への恐怖を一歩でも先延ばしたかったからだ。
俺は作業に取り掛かろうとしたその時、
「こちら宇宙艦エンプティ。応答お願いします。」
女の声だ。なぜ、こんなところに…俺はそう思った。
「生存者いませんか?こちら宇宙艦隊所属エンプティ。」
再度呼びかけてくる。俺はとっさに答える。
「こちら宇宙艦隊柳也大尉だ。至急救助頼む。あまり長く持たない。」
「他に生存者はいませんか?」その女は尋ねる。
「俺、いや、私一人だけだ。」俺は思わず訂正して答える。
「ふふ、そんなに緊張しないでください。すぐ向かいます。」
女は答える。俺はまだ見ない助けの姿を思い浮かべる。
通信システムに不調があり、音声のみの発信になっているからだ。
「なあ、あとどれぐらいかかる」俺はどれぐらいかかるか聞いてみる。
「あと30分ぐらいでそちらに到着できます。」女は答える。
俺は安堵した。30分なら充分このポットも持ちこたえることが出来る。
俺は喜んだ。こんな戦場で生きて帰れるとはまさに奇跡だ。
- 139 名前:葉鍵トレッキー :02/05/26 00:22 ID:upvWw6qV
- だが、次の瞬間新たな不安が現れた。
任務に向かう途中聞いた話だ。U.S.S.ディファイアントが任務中に
U.S.S.オリンピアの生き残りを発見した。
そして、現場に着いた時、救出に間に合うように急行したのに既に死んでいた。
調べてみると3年前に死んでいたのだ。
亜空間通信が惑星を覆っていた特殊なバリアによって過去から未来、
未来から過去へ通信を行っていたのだ。
俺はこの話を聞いたとき運が悪い奴だと思った。
折角助けが来ると希望を持ったのに絶望して死ぬとは。そう思った。
だが、俺の身にも起こってもおかしくない話だ。
「なあ、今宇宙暦を教えてくれないか?」
俺はおそるおそる尋ねる。
「519843.2ですけど、それがどうしましたか?」
女は不思議そうに答える。
「いや、ちょっと聞いてみただけだ。」俺は答える。助けは来るようだ。
あれこれ、考えているうちに30分たったようだ。
外には船が見えてきた。オーベル級の船だ。
しかし、かなり傷ついている…大丈夫だろうか?
「こちらに転送します。」そう通信が入る。
「よろしく頼む。」俺はそう伝える。
- 140 名前:名無しさんだよもん :02/05/27 03:21 ID:f/1JPK26
- __________________
___ /
/´∀`;::::\< お初です、はい。
/ メ /::::::::::| \__________________
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| ||/::::::::|::::::|
- 141 名前:名無しさんだよもん :02/05/27 14:17 ID:L+OKWEot
- 宇宙暦の桁が多いのは時間とか秒とかなの?
- 142 名前:名無しさんだよもん :02/05/28 05:08 ID:V93yZNiY
- >>141
ttp://www.m-nomura.com/st/stardate.html
しかし519843.2って…。1桁多くない?
- 143 名前:名無しさんだよもん :02/05/28 11:54 ID:1/J+8rdz
- 29世紀?
- 144 名前:葉鍵トレッキー :02/05/30 22:13 ID:JkJcZfiS
- >>141-143
スマソ。
519843.2→×
51984.3→○
ちなみに設定も少し変更
大尉→CPO
永遠への旅へと出てくるよ…。
- 145 名前:名無しさんだよもん :02/05/31 17:00 ID:+OOp2cgY
- >>144
その試練を乗り越えて新しい時間の流れを作っていくんだね。
というか大尉からいきなり下士官に格下げ?
- 146 名前:葉鍵トレッキー :02/06/01 23:56 ID:U6i8xp9P
- 面手中!
- 147 名前:名無しさんだよもん :02/06/02 23:25 ID:WzqkTXL1
- __________________
___ /
/´∀`;::::\< 恐縮です、はい。
/ メ /::::::::::| \__________________
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- 148 名前:名無しさんだよもん :02/06/04 07:42 ID:DmOsSSxO
- メンテ
- 149 名前:名無しさんだよもん :02/06/04 23:59 ID:5HVLuUsn
- 免停
- 150 名前:名無しさんだよもん :02/06/05 20:19 ID:NCF16uAx
- 面手
- 151 名前:名無しさんだよもん :02/06/06 22:57 ID:s7UFs6Dh
- (・∀・)イイ!!
- 152 名前:名無しさんだよもん :02/06/07 16:36 ID:wPR1fXSC
- STAR TREK:Eternity(wを書いている名無しです。
HDDクラッシュから立ち直りました。
が、当然ディスクの中身真っ白です。
デルタ宇宙域に飛ばされたU.S.S.イクアノックスの気分です。
うぐぅ。
- 153 名前:名無しさんだよもん :02/06/07 20:31 ID:iHHTbvHL
- 何方かカーク船長やミスタースポックの頃のありませんか〜?
>>152
ご愁傷様です。
- 154 名前:名無しさんだよもん :02/06/09 05:52 ID:L8n6sf8q
- __________________
___ /
/´∀`;::::\< 割と危険なのです、はい。
/ メ /::::::::::| \__________________
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- 155 名前:名無しさんだよもん :02/06/09 20:13 ID:gJHy9Oow
- 船長、圧縮